0001蚤の市 ★ [KR]
2023/08/01(火) 20:00:28.08ID:2zPycBEt9女性たちは、ケララ州マラプラム地区パラッパナンガディ町の家庭から、非生分解性のごみを回収するグループのメンバー。各家庭が毎月払う代金が収入源で、普段は1日約250ルピー(約430円)を得ている。分別したごみを売却して地元企業が得た収益の一部を、受け取ることもある。
この賃金だけでは生活していけないと、女性たちは率直に話す。女性たちのほとんどは、子どもの教育費やそのほかの費用を工面するために借金をしたり、ローンを組んだりしている。
そのため、女性たちは時々お金を出し合って宝くじを買っていた。
インドの多くの州では、大半の宝くじは違法だ。しかしケララ州では、州政府が運営する公営宝くじが非常に人気で、民間の宝くじは禁止されている。
「一度、1000ルピー(約1730円)が当たって、みんなで分け合ったことがあります」。いつも女性グループを代表して宝くじのチケットを買っているという、ラーダは話した。
・約430円のくじを共同購入
女性グループは6月、お祭りなど特別な日に発売される、通常よりも賞金額が大きい宝くじで、250ルピーのチケットを購入することにした。
ラーダさんが資金を集めていた時、自分は手持ちの余裕がなくて悲しかったのだと72歳のクッティマルさんは話す。
「そうすると、(グループの別のメンバー)チェルマニル・ベイビーが、自分は25ルピーあるから、その半分を私に貸すと言ってくれたんです」と、クッティマルさんはBBCに語った。
そこで、2人はそれぞれ12.5ルピーを支払い、残りの9人は25ルピーずつ支払った。
「もし何か当たったら、平等に分配しようと約束しました」とクッティマルさんは述べた。「こんなに大金が当たるとは思いもしなかった!」。
抽選日の翌日に、グループの1人が自分の夫に結果の確認を頼むまで、誰も当選したことを知らなかった。
「いつもよりも賞金額が大きい宝くじを買ったのは、今回で4度目でした」と、ラーダさんは述べた。「4度目の幸運です!」
・様々な金銭的事情
ベイビーさん(62)は、当選したことが信じられないと話した。
「これまでずっと運が悪かった」と、ベイビーさんは言う。2018年にケララ州を襲った大洪水で、自宅を流されてしまった。しかし宝くじが当たった今、自宅を建てて借金を返済するつもりだという。
別の女性も同様に、金銭的な事情を抱えていた。
K・ビンドゥさん(50)は昨年、夫を腎不全で亡くした。一家は、腎臓移植の費用を支払えなかった。
「夫は、透析のために私たちが取っておいた金で、宝くじを買ってた」、「自宅が建つ前に、私たちを置いて逝ってしまった。今となっては私が、家を完成させなくては」と、ビンドゥさんは話した。
ビンドゥさんは、現在15歳の娘が将来いい仕事に就けるよう、教育にお金をかけたいと考えている。
ラクシュミさん(49)は、当選判明の前夜、家族で将来の心配をしていたのだと言う。建設作業員の夫は、ケララ州の大雨の影響で、なかなか仕事を見つけられずにいた。
ラクシュミさん夫妻は、宝くじのおかげで娘の学費が工面できるようになり、安心したと話す。
リーラさん(56)は、娘の手術費用をどうやって支払えばいいのか、ずっと心配していたという。「娘の結婚式のために、すでに自宅を担保にお金を借りているので」。
女性グループは納税後、6300万(約1億900万円)を受け取ることになる。ベイビーさんとクッティマルさんは、2人の取り分630万ルピー(約1090万円)を等分し、残りの女性たちはそれぞれ630万ルピーを受け取る。
・ごみ収集の仕事を継続
ケララ州全体でごみ収集活動などを調整する機関「Suchitwa Mission」の責任者、KT・バラバスカランさんによると、女性たちは公衆トイレの建設や廃棄物処理施設の設置も手伝っている。
人生が一変する当選が発覚した翌日(7月28日)、女性11人は仕事を再開するため、いつものように事務所に集まった。
「みんなで決めたことがひとつある」と、リーラさんは話した。「この仕事はやめないと。経済的に豊かになれたのは、このグループにいたおかげなので」。
BBC 23/08/01
https://www.bbc.com/japanese/66368687