フリーアナウンサーの中井美穂さんが支援するNPO法人「キャンサーネットジャパン」。小児がんの啓発・支援のために中井さんが着目したのは“楽しいことの提供”でした。

中井美穂さん(フリーアナウンサー)●1987年日本大学芸術学部を卒業後、フジテレビに入社。アナウンサーとして人気を集める。95年フリーに。多くの番組にレギュラー出演する他、コラム執筆など幅広く活動。2019年NPO法人キャンサーネットジャパンの理事に就任。がん啓発のイベント、市民公開講座の司会なども行う。

NPO法人キャンサーネットジャパン 2001年東京都よりNPO法人認証、2016年認定NPO法人に。胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、前立腺がんの5大がんのほか、罹患者数の少ないがんについての情報をセミナーや冊子、ウェブなどで発信している。


認知を広めるため、ポジティブなイメージで展開

「小児がんというとかわいそう、不治の病というネガティブなイメージが先行し、協力企業の賛同も難しいという現実がありました。実際には、現在では小児がんの約8割は治癒が望めるのですがそれも知られていません。そこでまずは耳を傾けたくなる前向きなイメージを打ち出していかなくては、と」

可愛いグッズやイベントで応援することからスタートし、小児がん患者とその家族を招待した野球のナイター観戦などを開催しました。「体を使ってスポーツをする姿は生きる喜びにつながりますし、罹児だけでなくきょうだいや保護者の方などにも一緒に楽しい時間を過ごしていただけました」

早稲田大学ビジネススクールとの出会いで広がった視点

プロジェクトのサポーターとして意外な存在があります。それは「早稲田大学ビジネススクール(WBS)」。「一緒に取り組むようになって4年目になります。たまたま知人が、WBSの鶴谷先生に小児がん啓発活動の手法に悩んでいることを伝えてくれたところ、ゼミのテーマにと提案してくださったのです。こうして長いお付き合いができていることに感謝しています」

鶴谷先生のゼミのテーマは“企業経営と社会変革”。「私達の団体はそれまで一般企業の方々との出会いは少なく、視点も狭いものだったと思いますが、WBSの皆さんの発想や人脈が加わり、出会いもアイデアも格段に広がりました。お互いお金儲け目的ではないところで集まっている者同士だからこそ、利害関係なくひとつのゴールに向けて走ることができるのだと思います」


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9/16(土) 19:03配信   婦人画報
https://news.yahoo.co.jp/articles/13c5980bbd24af373bd09287ab7eb86fa1bd1a35