もはや、立ち直れないかもしれない――。

 12月20日、ダイハツ工業は車両の安全性を確認する衝突試験で不正をおこなっていた問題で、64車種と3種類のエンジンで不正が確認されたと発表。生産中の全車種の出荷を停止するという。

「そもそも、ダイハツは2023年4月の時点で、海外向けの4車種で不正行為が確認されたと発表。さらに5月にも不正が発覚したたため、類似の不正がないか第三者委員会が調査をしていました。その結果、他社へOEM供給している車種を含め、64車種で不正があったことが発覚しました」(社会部記者)

 不正の内容は、自動車の衝突試験やタイヤ圧、エアバッグの動作確認など多岐に渡る。

「たとえば、左側の衝突試験しかおこなっていないのに、右側の衝突試験もおこなったと架空の試験結果を報告したり、本来は衝突時に自動で作動するはずのエアバッグにタイマーを仕込んで試験をクリアしようとするなど、あまりに杜撰なものです」(同前)

 さらに同報告書には、職員への聞き取り結果として、こうした不正を生んだ悲惨な職場環境が赤裸々に語られている。

《職場風土として、『できない』が言えない》

《相談しても「どうする?自分で考えろ」が多く、相談にならない》

《内部通報を行っても、監査部が直接事実確認する事は無く、当該部署の部長・室長・GL に確認の連絡が行くのみで、隠ぺいされるか、通報者の犯人探しが始まるだけ》

「全車種出荷停止という経済的なダメージ以上に、信用を失ったという点で非常に大きな痛手を負いました。全162ページある報告書からは、ごく一部の担当者による不正というよりも、企業全体としてのコンプライアンス意識が低く、いわば“ブラック”な職場だったという印象です」(同前)

 ネット上でもダイハツに対し、厳しい声が数多く寄せられている。

《日本の恥、信頼の失墜です》

《二度とダイハツは買わない はよ潰れろ》

《人の安全にかかわる部分での不正は許せない》

「会見で奥平総一郎社長は辞任を否定し、『再発防止について道筋をつけるために力を発揮し、それを責任としたい』と語っています。親会社のトヨタも、ダイハツの“体質改善”に向け努力するそうですが、果たしてうまくいくのか。“立ち直れない”可能性も十分あるでしょう」(同前)

 日本車の“品質神話”も今は昔――。


12/20(水) 20:31配信 SmartFLASH
https://news.yahoo.co.jp/articles/4175a49d1b92f2e238e66d6cf73d92cf1238a87e