犬・猫「殺処分ゼロ」裏側で・・・、ボランティア団体「対応は限界」
TBS系(JNN) 1/18(水) 19:21配信

犬や猫の殺処分をめぐる問題です。
今も全国で1年間に犬と猫あわせて8万匹余りが殺処分される中、
「殺処分ゼロ」を掲げる自治体が注目されていますが、その陰で、
ボランティア団体が悲鳴をあげていました。

この日、神奈川県の動物保護センターでは、保護された猫の譲渡会が
開かれていました。会場にいるのは、飼い主が亡くなったり、繁殖で
増えすぎて世話ができなくなったりして捨てられた猫です。
引き取る事を決めた人は・・・

「人間の都合で、どこかに置かれちゃった猫ちゃん、かわいそうじゃないですか。
 どうせ飼うなら、そういう猫がいいなと思って」(引き取りを決めた女性)

会場の下の階には、犬を殺処分するための部屋がありますが、
3年以上使われていません。神奈川県は、全国に先駆けて、
犬は3年連続、猫は2年連続で殺処分ゼロを達成しました。

「せっかくここまできたので、“殺処分ゼロ継続宣言”をいたしました」
(神奈川県 黒岩祐治 知事)

ところが現場では。シェルターに所狭しと集められた猫たち。
譲渡会を主催したボランティア団体の一つ「たんぽぽの里」は、
センターで収容された猫を保護する活動を行っていますが、
対応は限界に近いと言います。

「たんぽぽの里だけで200匹を超えていて、限界かなって思ってます」

神奈川県は、殺処分される前に譲渡する事で殺処分ゼロを達成しましたが、
そのほとんどがボランティアへの譲渡です。県のセンターから直接飼い主に
渡されているのではなく、ボランティアが一旦引き取って、
きちんとした飼い主を探していますが、なかなか見つからないのが実情です。

「この子も半身不随だった。普通だったら、たぶん処分されちゃう」

特に難しいのが、病気や障害を抱えた猫です。
1歳の「恵麻くん」は、半身不随の状態で保護されました。
治療するための手術に、およそ20万円かかりましたが、全額寄付金でまかないました。
「たんぽぽの里」は、3つのシェルターの家賃に、エサ代、医療費などを合わせると、
運営に年間1000万円以上かかっているということです。

「声高々に殺処分ゼロにしましょうとか、してますとか、そういうのは紙一重。
(殺処分は)今日かもしれないし、明日かもしれない。いつ起きてもおかしくない状況」

県は、譲渡会の会場提供など、ボランティアへの支援をしていますが、人に慣れていない
猫などは、ボランティアの方がノウハウがあり、「頼る部分が多い」と担当者は話します。
「本来であれば、うちから直接県民の方へ譲渡するのが一番良いとは思うが、
(ボランティアには)本当に頭の下がる思い」(神奈川県動物保護センター業務課 岩屋修 課長)

石丸代表は、センターに持ち込まれる事を事前に防ぐため、相談会を開くなどの活動を始めました。

「高齢者(の飼い主)が亡くなって、センターに持ち込まれる方がたくさんいる。
 自分に何かあったときに、この子たちをどうできるか考えて迎えてほしい」

最後まで世話ができるよう、猫の年齢や飼育環境をよく考えた上で責任を持って
飼ってほしいと、石丸代表は訴えています。

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20170118-00000086-jnn-soci