大雪対策の影響で財政難に陥っている福井県福井市は、本年度約150事業の縮減、中止、先送りを検討している。市民への影響は最低限に抑えたい意向だが、見直し対象事業には夏休み期間に行っている
学校プール開放の中止や、街中にぎわいイベントの回数減、敬老祝い金の削減など身近な事業が入っている。
市民もじわりと我慢が必要な一年となりそうだ。

毎年夏休みに合わせ、市内50の小学校で実施している学校プール開放事業の中止検討は、子育て世代に影響。
市から説明を受けた市議会のある会派では、中止の是非をめぐって議論になったが、各校に2、3人配置する監視要員について「かなり負担のようだ」と
一定の理解が示されたという。

小学生の子どもが2人いる母親(44)は「去年も友達と連れだって学校プールに結構行っていた。暑い夏休み中に行き場がなくなると親も大変。ゲームばかりする子が増えるかも」と困惑気味。
市の財政難については「身近なことに影響するのはびっくり」と驚いた様子で話していた。

2013年度から毎年4回、JR福井駅西口エリアで開かれている「まちフェス」も回数が制限される可能性がある。「にぎわいけん引事業」として定着しているが、本年度の開催は6、9月の2回だけになりそう。
運営に携わる30代男性は「毎回楽しみにしてくれている市民もいるので
非常に残念」とする一方、中心市街地の活性化は好調だとして「自分たちなりに盛り上げる方法を考えていきたい」と話した。

敬老祝い金の進呈事業では、88歳への記念品配布は取りやめ、100歳への祝い金は3万円から1万円に減額するもようだ。地域コミュニティーバスの運行支援事業も見直し対象となり、新たな地域での試行運行が順延される見通し。

中学校図書整備事業や高校野球全国大会出場の激励費も見直すなど、小さな事業からも少しずつ財源を捻出しており、不足分を確保しようという苦心がうかがえる。

市議会最大会派、一真会の皆川信正会長は「今すぐ日常生活に大きく影響するようなものはなさそうだ。財源がないならやむを得ない部分はある」と一定の理解を示した。

5/30(水) 9:35
福井新聞ONLINE
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180530-00010000-fukui-l18