■鹿島出身・寛蓮 囲碁名人殿堂入り
平安時代天皇指導 現代のルール確立
2016年07月20日 10時18分

鹿島出身で「碁聖」と称される平安時代の囲碁の名人・寛蓮(かんれん)が19日、
囲碁の殿堂入りを果たした。現代囲碁のルールを確立した寛蓮の功績や、
幅広い世代が囲碁に親しんでいる鹿島市の地域性が評価された。佐賀県出身者の選出は初めて。

寛蓮は874年ごろ、肥前国藤津郡大村(現鹿島市)に生まれ。宇多、醍醐天皇に仕えて
囲碁を指導し、913年に囲碁のルールや礼儀作法などを書物「碁式」にまとめ、
醍醐天皇に献上したとされる。教養も高く、和歌が新古今和歌集に収められている。

寛蓮は昨年まで3年連続でノミネートされたものの選ばれず、碁聖寛蓮顕彰会会長の
藤永勝之さん(72)が今年3月以降、殿堂入りの票を投じる表彰委員会委員らを
鹿島市に招き、寛蓮の功績や碁会所の熱気、小学生の囲碁教室の取り組みを紹介した。

殿堂入りを受け、藤永さんは「寛蓮が全国区になってうれしい。若い人にもっと囲碁文化を
広めていきたい」と喜び、樋口久俊市長は「関係者の地道な努力が実った結果」とたたえた。

囲碁の殿堂は日本棋院が2004年に始め、これまで徳川家康や本因坊秀策らを選出した。
今回は寛蓮のほか井上幻庵因碩も殿堂入りし、合計で20人になった。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/335492


■囲碁表彰委員、寛蓮の殿堂入りへ調査
2016年03月18日 10時50分
寛蓮の顕彰碑を見る藁科満治さん(右)=鹿島市の祐徳稲荷神社

元参院議員で囲碁殿堂表彰委員会委員の藁科(わらしな)満治さん(84)=神奈川県川崎市=が
12日までの2日間、「碁聖」と呼ばれる平安時代の名人・寛蓮(かんれん)が生まれた
佐賀県鹿島市を訪れた。地元の寛蓮顕彰会会長の藤永勝之さん(72)に市内を案内され、
寛蓮の殿堂入りに関する判断材料を集めた。

寛蓮は913年に囲碁のルールや礼儀作法などを書物「碁式」にまとめ、醍醐天皇に献上した。
囲碁の殿堂は日本棋院が2004年に始め、これまで徳川家康ら17人が殿堂入りしており、
寛蓮は過去3度ノミネートされている。

藁科さんは11日、囲碁の愛好家が集まる市民交流プラザを見学し、祐徳稲荷神社にある
顕彰碑などを見て回った。藁科さんは「寛蓮の影響を受けたのか、囲碁を打つ人たちに
熱気があった。大きな刺激になり、現地に来たかいがあった」と感心した様子だった。

今年の殿堂入りは、5月末までに候補者を絞り、藁科さんら委員の投票で7月中に決まる予定。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10105/290470