スペースワールド、複合商業施設に転換へ アトラクション維持
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今年12月末に閉園予定のテーマパーク「スペースワールド」(北九州市八幡東区)を、複合商業施設として
再生する計画が具体化していることがわかった。財界九州社(福岡市中央区)が発行する総合情報誌『財界九州
』の平成29年3月号(25日書店発売)が報じている。同誌によると、これまで閉園後の活用策について複数案
が検討されたが、イオン(千葉市美浜区、TYO:8267)系のアウトレットモールを核とした複合商業施設として
再整備し、ジェットコースター等の一部アトラクションを残す方向で調整が進んでいるという。イオングループ
では、イオンモール(千葉市美浜区、TYO:8905)が越谷市の「イオンレイクタウン」にアウトレットモールを
開設しているが、九州への展開は初。同社はスペースワールドの隣接地で「イオンモール八幡東」を運営して
おり、通路等で施設を一体化する可能性もある。スペースワールドを巡っては、運営会社が昨年12月、29年末
をもってテーマパーク施設を閉園すると発表。運営会社に出資する加森観光(札幌市中央区)は近年、ホテルや
スキー場の売却を進めており、経営資源をルスツリゾート(虻田郡留寿都村)に集中する方針とみられる。
スペースワールドの運営会社は17年5月に民事再生法の適用を申請。同年7月から加森観光の出資を受け、
経営再建を進めていた。土地所有者の新日鉄住金(東京都千代田区、TYO:5401)は賃借料を優遇するなどして
固定費用の削減を支援し、21年度から運営会社は黒字だった。運営会社と新日鉄住金との土地賃貸借契約の更新
協議が不調に終わったとする一部報道もあるが、本拠地である北海道の事業に専念したい加森観光、JR駅や
都市高速道路に隣接する交通利便性の高い土地を有効に活用したい新日鉄住金、それぞれの思惑もあったようだ。