https://mainichi.jp/articles/20210126/k00/00m/040/271000c
2021年1月27日 05時00分

神奈川県の東名高速道路で2017年にあおり運転を受けた夫婦が死亡した事故を巡り、
無関係の会社をインターネット上で中傷したとして
小倉検察審査会から「起訴議決」を受け、名誉毀損(きそん)罪で強制起訴された
無職男性(66)=福岡県春日市=が今月死亡していたことが関係者への取材で判明した。

福岡県警は自殺とみて詳しく調べている。

起訴状などによると、男性は17年10月、
あおり運転をした男性被告(29)の逮捕後、
社名に被告と同じ姓が含まれた北九州市八幡西区の建設会社について、
被告の勤務先であるかのような書き込みをネットの掲示板に投稿し、
名誉を傷つけたとされる。

建設会社の経営者の告訴を受け、
福岡県警は18年6月、11人を名誉毀損容疑で福岡地検小倉支部に書類送検。
全員不起訴とされたが、小倉検察審査会は死亡した1人と
謝罪した1人を除く9人を「起訴相当」と議決。
再捜査した地検小倉支部はうち1人を起訴、5人を略式起訴した。
3人は示談や和解が成立しているなどとして再び不起訴となったが、
審査会は20年7月、3人のうち
「和解はあくまで民事上の処分」などとして、
自殺したとみられる男性を「起訴議決」とした。