日本産の果物を台湾に輸出する明弘貿易(大阪市)の翁婉甄(おうえんけん)社長(31)は10日、南砺市高宮の富山あんぽ柿共同加工センターを視察に訪れた。ゼリーのような食感を楽しめるあんぽ柿について、翁社長は南砺産の品質を高く評価。台湾で贈答用として需要が多いとし「あるだけ欲しい」と増産に期待を寄せた。

 明弘貿易は大坂中央卸売市場果実部で業務に当たっており、年商17億円。台湾に日本からの輸出品の受け皿として、翁社長の母が経営する貿易会社「梅村(めいつん)」がある。富山干柿出荷組合連合会(南砺市)と十数年来、富山干柿の取引があり、近年、あんぽ柿の取り扱いを増やしている。

 翁社長は、鳥取、島根、山梨の各県からもあんぽ柿を買い付けているとした上で「南砺のあんぽ柿はおいしそうなオレンジ色で軟らかく、検品しなくて良いほど品質が安定している」と述べた。

 センターは10月20日に初稼働し、12月上旬まであんぽ柿を生産する。明弘貿易は昨シーズンに南砺産約2トンを台湾へ輸出しており、富山干柿出荷組合連合会は今シーズン、台湾輸出量の倍増を目指す。

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