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宮崎謙介氏

 先の衆院選での大敗の責任を取り、立憲民主党の生みの親である枝野幸男代表が辞任することになりました。一人でポツンと始めた立憲民主党をここまでの規模とした氏の努力には敬意を表するのですが、一方で民主党政権下での失政の片棒を担いでいた枝野氏が野党第一党のままでは、立憲民主党は万年野党のままだろうと思っていた私としては、今回は大きな変革の機会になるだろうと予想します。

 新しい顔になる方にはぜひとも、民主党政権での失敗の総括をするところから始めてもらいたいと思います。「ばらまき4K」と揶揄(やゆ)された「子ども手当」「高速道路無料化」「高校の無償化」「農業の戸別所得補償制度」の未達成や、その財源である国庫埋蔵金を掘り出すために行った事業仕分けの失敗など、まずはその原因などをはっきりと明示して、潔く頭を下げるところからスタートをすると、国民の見方は変わるはずです。

 さて、代表選挙の立候補者の顔ぶれが見えてきましたね。逢坂誠二氏、西村智奈美氏、小川淳也氏、そして私のかつての好敵手である泉健太氏です。個人的には泉氏にはこの代表選には頑張ってもらいたいと思います。

 いずれにせよ、新たな代表の下で、立憲民主党が野党として日本国のためにやるべきことは、大きく三つあると思います。

国会改革に 協力してほしい
 一つ目は「国会改革に協力すること」です。

 国会改革がなかなか進まないと言われて久しいのですが、私が現職時代にその原因は何かと、ある先輩議員に尋ねたことがあります。

 返ってきた答えは「野党が反対するからだ」でした。

「なんだと? 野党が反対して国会改革が進まないだと? ありえないだろ!」と青年宮崎謙介は思ったのでした。

 国会改革とはどのようなことを指すのか、一例を挙げましょう。

 例えば日本の総理大臣が国会に出席する時間についてです。諸外国のリーダーと比べ、日本の首相は年間に約130日も国会に出席しているのですが、これは圧倒的に多いのです。イギリスは35日程度、ドイツやフランスにいたっては10日程度にすぎません。

 首相が国会に長時間拘束されるとどうなるのか。外交にハンディを背負うことになるのです。諸外国への訪問や国際会議への出席は日本国のトップが行くことで驚くほど進展します。その他の公務など、国会以外の仕事は山積しています。そのような時間がなくなってしまうという弊害が指摘されてきました。

「いやいや、そもそも国内の審議が不十分だからだろ!」という反論があるかもしれませんが、同じような追及ばかりの予算委員会にその価値があるように私は思えませんでした。私はこのことに大変な危機感を抱いている一人です。効率的で実のある国会運営ができるように野党第一党の新しい党首として、国民の方にベクトルを向けた思いきったかじ取りを見せてもらいたいです。

官僚への質問取りは 質疑前日正午までに
 二つ目は「官僚に対する質問取りを早期化すること」です。

 霞が関はブラックだと言われています。つまり官僚の労働環境は劣悪でひどいということですが、その一つの代表例として挙げられるのが委員会における「質問取り」です。

 国会では全ての国会議員が参加する本会議の他に、委員会というものが存在します。その委員会は経済産業委員会、厚生労働委員会、文部科学委員会など、各省庁にひもづいて存在し、そこで各省庁が提出する法案について国会議員が審議するのです。

 この時に、質問取りということが行われます。質疑に立つ国会議員に対して、事前に、どのような質問をするのかというヒアリングを官僚は行うのです。そして出てきた質問に対して、大臣が答弁するための資料を用意するのです。不確かなことを国会の場で大臣に発言させるわけにはいかないので、これは慎重かつ入念に準備をするのです。