立憲民主党の代表選が行われる中、「くにまるジャパン極」(文化放送)では、11月24日にジャーナリストの二木啓孝氏が“なぜ代表戦が盛り上がらないのか?”を解説した。これに続き、11月25日の放送では、民主党の事務局長を務めた経験のある政治アナリストの伊藤惇夫氏が独自の視点で“なぜ立憲民主党に期待感を抱けない理由”を解説した。

伊藤惇夫氏は、冒頭で田中角栄氏の言葉を紹介する。

伊藤「“頂上を目指すには、敵を減らすこと。好意を持った中間地帯を増やすことだ。”この言葉の味噌は、味方を増やせと言ってないこと。敵を減らしなさい。中間地帯に少しでも好意を持ってる人間をどれだけ増やすか。それが頂上を極める極意だと言っている。総選挙を振り返ると、立憲民主党は逆のことをやっちゃった。共産党という味方を増やそうとして敵を増やしたけど、それより大きいのはこれまで多少なり好意を持っていた中間層(中道層、保守層と呼ばれる人たち)を遠くの方に追いやっちゃった」

伊藤氏は、中間地帯を増やす上での立憲民主党の問題点を挙げる。

伊藤「キーワードは”市民”。立憲民主党は菅直人氏のように市民運動上がりの人がいて、市民が好きというイメージが連綿と流れてる。市民という言葉について考えてみると、自分たちは市民意識を持ったある種、意識高い系だよねって感じがするわけです。市民が主役といったらそれ以外の庶民や大衆は視野に入ってないんだねと受け取られちゃう」

さらにこう続ける。

伊藤「今回の総選挙でも、立憲民主党はLGBTの問題を重要テーマとして掲げていた。もちろん大事な問題ですが、こうした問題に非常に強い関心を持つ有権者がどれくらいいるか?そんなにたくさんいるとは思えません。日々の仕事や生活に精一杯頑張ってる皆さんにそういうテーマってどこまで響くだろう。中間地点の大半を占めているんだという意識が果たして立憲民主党の皆さんにあるんだろうか?と考えてしまう」

最後に伊藤氏は立憲民主党が今後、どうすべきかについて話した。

伊藤「自民党とは異なる日本という国の方向性に関する明確なビジョン、これを一般の人にわかるように示すこと。それが再生への第一歩なのかなと思います」

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