韓国と中国間の歴史論争にまた一つ新たな火種が投げ込まれた。

中国が制作した時代劇の出演者が、作中で朝鮮の伝統的な帽子の一種「カッ」に似た帽子を被っていたことについて、中国の伝統文化であるという主張をした。

http://korea-economics.jp/wp-content/uploads/2021/12/china-kat.jpg
画像：一片氷心在玉壺のワンシーン/同作品スチール

中国の俳優である呉希沢は自身のソーシャルメディアにおいてこれを「新鮮な中国のもの」であるとし「このような帽子は我が国（中国）が起源であり、以後、他の国に伝えられた」と主張した。それと共に「私たちの伝統文化が誤解されるのは我慢ならない」と付け加えた。
呉希沢は現在出演中の「一片氷心在玉壺」において、この帽子姿を見た中国のネットユーザーらから「これは韓国の伝統帽子じゃないか」「中国ドラマでこの帽子を見るとはまるで韓国ドラマを見るようだ」などと指摘されていたことから、今回の「弁明」に繋がったとみられている。

http://korea-economics.jp/wp-content/uploads/2021/12/Korea-gat-e1638840237286.jpg
朝鮮の「カッ」

「カッ」は朝鮮の伝統的な帽子の一種であり、李氏朝鮮の服飾の一つだ。貴族である両班（ヤンバン）が頭にかぶる冠帽であり韓国の時代劇ではお馴染みのアイテムだ。ネットフリックスオリジナルドラマ「キングダム」シリーズなどを通じて世界的にも広く知られるようになった。今年10月には駐英韓国大使が民族衣装を着てこの帽子を被ってエリザベス女王に新任状を提出して話題になった。
韓中間では様々な歴史論争が繰り広げられている。現在の中国東北部にまで勢力のあった高句麗は中国系の国であったとする中国政府の東北工程にはじまり、韓服やキムチも中国に起源があるとの主張が広がり、韓国からは強い反発を呼んだ。

http://korea-economics.jp/wp-content/uploads/2021/12/china-ika.jpg
画像：イカゲームのジャージも中国起源？/オンラインコミュニティ

最近ではネットフリックスで世界的人気を博した「イカゲーム」の人物たちが来た緑色のジャージについても、「私たちが起源」とする主張が中国で出るなど混迷を深めている。
この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「武漢肺炎は間違いなく中国のものだ。認めてやるよ」

「こんなことがあってもノーチャイナ運動は絶対に起こらない我が国」

「劣等感がどれだけ低いんだ。国土も広くて人も多いのに、可哀そうだな」

「カッは紐を結ばないとダメなのに…分かってないな」

「アイゴ、また始まったか」

「日本人が言ってたら大変だったよ…」

「これはつまり中国は我々のものだということだな」

「民主党がペコペコするからこいつら偉そうなんだ」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。

http://korea-economics.jp/posts/21120702/