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2012年、89歳のチャック・イエーガー退役准将

チャック・イエーガー退役准将が2020年12月7日に亡くなり、一周忌を迎えました。イエーガー退役准将は、人類で史上初の音速超えを達成したことで知られ、その功績を改めて振り返り、故人を偲びます。

1923年に生まれ、1942年にパイロット訓練を開始、翌年には飛行士官となりました。第2次世界大戦でヨーロッパ戦線で従軍し、ドイツ軍の13機を撃墜し、エースパイロットとなりました。その後、アメリカに戻り、空軍の飛行試験部門に所属していた際、テストパイロットとして任命。ここから、歴史に名を残す瞬間に出会うことになりました。

アメリカ空軍のベルX-1実験用ロケット飛行機で1947年10月、人類で初めて音より速く飛びました。テストパイロットとしての任務はその後も続き、1953年12月にはX-1Aでマッハ2.44まで達成しています。

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ベルX-1-1 「46-062」

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X-1と母機のB-29

こうした成果を受け、1948年にアメリカ空軍が年間で最も功績のあるフライトを表彰するマッカイ賞、全米飛行家協会(NAA)が航空業界に大きな功績を残した業績を表彰するコリヤトロフィーを受賞。1954年には世界のパイロットで最も優れた人に贈られるハーモン・トロフィー「ハーモンインターナショナル賞」を受賞しています。

1975年に空軍を退役するまで、パイロットとして155機種、10,000飛行時間以上を記録しています。宇宙飛行士の道もあったものの、52歳で退役するまで空軍に残り、実戦部隊の指揮官などを務めました。退役から20年を経た1997年10月14日、ちょうど音速突破50周年に合わせF-15Dを搭乗。さらに2012年10月14日の65周年目にあわせ、再びF-15Dに搭乗し、超音速飛行を体験しました。2012年は現役パイロットが操縦、イエーガー退役准将は体験するにとどまりましたが、その時の年齢は89歳と、音速とともに人生を歩みました。

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2012年10月14日、音速突破65周年に合わせF-15D搭乗の準備するイエーガー退役准将

その半生は、映画「ライトスタッフ」にも描かれています。音速を記録した時の肋骨を追っていたエピソードや偶然も描かれています。生涯にわたり、音速や空にこだわり続けてきたイエーガー退役准将の生き様を動画配信サービスなどでも視聴でき、その想いに触れることができます。

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