参考文献
Mysterious origins of western honey bees revealed https://www.earth.com/news/mysterious-origins-of-western-honey-bees-revealed/ Where did western honey bees come from? New research finds the sweet spot https://phys.org/news/2021-12-western-honey-bees-sweet.html 

元論文
Thrice out of Asia and the adaptive radiation of the western honey bee https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abj2151

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セイヨウミツバチはアジアで誕生した可能性が大 / Credit: jp.depositphotos

ミツバチの一種であるセイヨウミツバチ(学名: Apis mellifera)は、今日、ヨーロッパからアフリカ、中近東まで世界に広く分布しています。

一方、その起源の解明は、何十年にもわたって専門家の悩みの種となっています。

しかしこのほど、ヨーク大学(York University・カナダ)の研究により、セイヨウミツバチは、アジアで生まれた可能性が高いことが判明しました。

名前に”セイヨウ(西洋)”とあるからといって、生まれはヨーロッパのどこかではないようです。

研究は、12月3日付けで学術誌『Science Advances』に掲載されています。

セイヨウミツバチが養蜂家に人気な理由とは

セイヨウミツバチは、養蜂家にとても人気があり、農作物の受粉やハチミツの生産を目的として、多くの国で飼育されています。

日本でも明治時代にセイヨウミツバチが輸入され、養蜂がスタートしました。

彼らが重宝される最大の理由は、環境適応力の高さです。

セイヨウミツバチは、熱帯雨林から乾燥地帯、冬場が寒い温帯域まで、あらゆる環境で生き延びる能力を持ちます。

また、一度巣を作ってしまうと、環境が多少悪くなっても根気強く同じ巣を使い続け、あっちこっち移動したりしません。

対照的に、日本固有のニホンミツバチは、周囲にエサがなくなったり、気温が変化したり、巣箱を何度も開け閉めされると、ストレスを感じて別の巣に引越してしまいます。

そのため、ニホンミツバチの養蜂には常に、急に巣からいなくなるリスクが付いて回るのです。

それから、セイヨウミツバチの方が、一つの巣から採取できるハチミツの量が多いことも、養蜂向きな理由の一つでしょう。

西アジアで誕生した可能性が大
研究チームは今回、野生のセイヨウミツバチの18の亜種、計251匹を対象にゲノム解析し、そのデータをもとに、起源と分散パターンを再構築。

その結果、セイヨウミツバチは、西アジアを中心としたアジア起源であることが遺伝子データから強く支持されました。