日本人と外国人を区別せずに投票権を認める東京都武蔵野市の住民投票条例案をめぐり、条例案を審議する市議会の総務委員会が13日午前から始まった。冒頭、反対派住民の意見陳情が行われると、条例案に賛成の立場の市議から見解を問う質問が次々と寄せられ、他の市議からヤジが飛ぶなど議論は紛糾した。

反対派市民団体「武蔵野市の住民投票条例を考える会」による陳情では、代表の男性が「この条例案は立て付けに問題があり、実質的に外国人参政権が認められる。市民への広報・広聴も不十分だ。条例案の廃案か、大幅な修正を前提とした継続審査を求める」と述べた。

これに対し、共産党市議団の市議は「最高裁では永住外国人の地方参政権は禁止されていない」と追及。代表の男性は「どう運用するかは各自治体に任され、まさに有権者の意思だ」と応じた。

この日、市議会事務局は多数の傍聴希望者を想定。通常は委員会室で行う委員会を、傍聴席を多数確保できる本会議場で実施した。

委員会の開会前から、本会議場入り口前には傍聴を希望する市民らが多く訪れ、午前10時に委員会が始まると、108席ある傍聴席の半分以上が埋まった。住民投票条例案が議題にのぼり、廃案を求める陳述や議員の質問が始まると、傍聴席の市民らはメモをとるなどしながら議論の行方に耳を傾けていた。

市議会事務局によると、委員会を本会議場で行うのは初めてといい、市職員も「委員会でこれほど傍聴者がくるのは前例がない」と語った。

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