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参院予算委員会で立憲民主党・白真勲氏の質問を聞く岸田文雄首相ら=16日午前、国会・参院第1委員会室(矢島康弘撮影)

16日の参院予算委員会で、立憲民主党は「森友学園」をめぐる問題や国土交通省の統計書き換え問題を攻め立てた。立民は泉健太代表の下で批判一辺倒から提案型への脱却を図るが、岸田文雄首相の手堅い答弁の前に存在感は埋没しがち。新たに出てきた火種は渡りに船で、この日は従来の追及型に回帰した。

「わが党の泉氏は追及一辺倒ではなくて提案重視の方針を打ち出している。今までとは一味違った有意義な議論を参院予算委でもしていきたい」

最初の質問に立った立民の白真勲氏はこう切り出したが、次の瞬間には前言を撤回。「その矢先に2つの大きなニュースが飛び込んできた。これをやらないわけにはいかない」と述べ、森友学園問題と統計書き換え問題を取り上げた。

森友学園問題では、国が損害賠償請求を受け入れたことを受け「真相究明に徹底的に応えるのが筋だ」と強調。首相から「森友学園問題にも真摯(しんし)(しんし)に説明責任を果たしていく」との答弁を引き出した。

国交省の統計書き換えについては「法律違反で悪質」と批判し、国交、総務両省などの担当者らを問い詰めた。首相は第三者委員会の立ち上げに言及するなど守勢に回った。白氏が2つの問題に費やした時間は約50分間に及んだ。

続く木戸口英司氏も冒頭から斉藤鉄夫国交相に照準を絞り「説明が正当化しているように聞こえる」と批判。斉藤氏は「決して正当化しているわけではない。令和元年まで間違った方法で統計を取ってきた」と釈明に追われた。有田芳生氏もこの問題の質問通告をしていたが、実際には触れなかった。

この日の予算委に登場した立民議員4人は全員、来年夏の参院選で改選を迎えることから「選挙を見据えたパフォーマンス」との見方もある。追及型の質問は議論が盛り上がるものの、立民の支持率上昇に結びつくかは不透明だ。このまま批判主体に戻るのか、提案型を模索するのか。新体制の立民にとって、悩ましい選択となっている。(石鍋圭)

https://www.sankei.com/article/20211216-CADTYJUDIFOYVA5UE6OURT6HQU/