県ふれあい昆虫館は、日本で未確認となっていた水生昆虫を新たに発見したと発表した。同館の渡部晃平学芸員と福岡県の研究チームが特定に成功し、和名を「トゲトゲバゴマフガムシ」と名付けた。

 トゲトゲバゴマフガムシは、日本で8種類発見されているゴマフガムシ属の一種。体長は4〜6ミリで背中の黒い模様と羽の先端にある小さなトゲが特徴。雄は前足に毛が生えている。ヨーロッパや北アフリカ、アジアで広く分布している。

 個体は、福岡県保健環境研究所の中島淳専門研究員が福岡市内で採集した。渡部学芸員がこれまで日本で記録されている8種のゴマフガムシの特徴や海外の文献などから、国内で初確認の種と特定した。

 研究は日本甲虫学会が12月に発行した学術誌に掲載された。渡部学芸員は「昆虫に新たに名前を付けられたことはうれしい。今回の発見で、ゴマフガムシの正確な分布の解明につながるかもしれない」と話した。

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