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小川淳也政調会長。「問題は複雑で、答えは簡単ではない」と繰り返し、言葉を絞り出した

「立憲民主党という政党のさまざまなことを再検証し、再出発しなければなりません。しかし、執行部に与えられている時間はあまりに少なく、来年7月の参院選挙が最初のデットラインだと考えています」

立憲の政調会長に就任した小川淳也議員は、インタビューに答えてこう言った。

なんとしても、党を再生しなければならない
先の衆院総選挙で、立憲民主党のダメージは大きかった。

当選7回の平野博文代表代行・選挙対策委員長が、大阪11区で落選。同じく当選7回の辻元清美党副代表は、大阪10区落選。比例復活もならず議席を失った。

また、比例復活はしたものの、当選回数17回を誇る小沢一郎や、当選14回の中村喜四郎元建設相、海江田万里元民主党党首などもばたばたと落選した。党の指導的立場にあったベテラン勢の敗北で、野党第一党の精神的支柱が失われたともいえる。

深手を負った立憲民主党は枝野幸男が代表を退き、選挙を経て泉健太を代表に選出した。今、なんとしても党を再生しなければという緊張感と焦燥がある。

立憲の支持母体である連合の芳野友子会長はこう言っている。

「立憲民主党が市民連合、共産党と共闘したことで、組合票の行き場がなくなったということは事実としてあったのではないか」

連合組織票は704万票。選挙後、芳野会長は自民党本部を訪れ、麻生太郎副総裁、茂木敏通幹事長とそれぞれ会談した。「立憲民主党がいなくても『政労会議』は出来るのだ」というデモンストレーションだろう。立憲民主党には少なからぬ寂寥感が漂ったのではあるまいか。

ここから半年、全力疾走する
再出発はこの男にかかっている。

国民に向けた立憲民主党の政策取りまとめ責任者として指名されたのは、弱冠50歳の小川淳也政調会長である。

「代表選挙は、野党が四分五裂しているために、いわば自民党〇〇派内の選挙のような小さな戦いでした。世論からは、代表戦の議論も低調だと評価されている。それこそが、いまの立憲民主党に向けられた『国民の目』なのだ、ということを痛感しています。

来年7月の参院選挙まで、わずか半年ほどのうちに立憲民主党は有権者に投票していただけるような政党となるために全力疾走しなければならないんです」

これまでに経験したことのない極限の緊張状態を走り始めた小川には、党の歩みを止めない牽引力が求められている。どれほど疲れても、先頭を走り続けなければならないのだ。

「野党第一党を一つの塊にしなければならない。挙党態勢、連合との協議、党の公約作り、共産党との関係性、有権者との対話、やらなければならない、ありとあらゆる事柄が頭の中を駆け巡っています。代表戦以降、今日に至るまで、そしてここから先に向かって、これまでに経験したことのない極限の緊張感のなかにいます。『政権に対して反対ばかり』の政党から生まれ変わった立憲民主党を国民に示さなければならない。簡単に答えが見つかるようなことじゃないんです」