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 長年にわたり税別10円で販売されてきた「うまい棒」が4月から同12円に値上げされるとのニュースを受け、にわかにその動向に注目が集まっていた銚子電鉄(千葉県銚子市)のスナック菓子「まずい棒」。同電鉄に取材すると、竹本勝紀社長は「今のところ値上げの予定はない」と明言。その理由は、「これ以上の価格転嫁をすると、まずい棒が『きまずい棒』になってしまう」と、同社らしいユーモア混じりのコメントを返してくれました。(デジタル編集部)

 「うまい棒」値上げのニュースが報じられると、ツイッターでトレンド入りするなどネット上で話題が沸騰。その影響で、経営状況が「まずい」ことに掛けて2018年に発売され、銚子電鉄の本業不振を大いに補ってきた「まずい棒」のことを知る人たちから、「まずい棒も値上げするの?」と、心配する声が相次ぎました。

 千葉日報社の取材に、竹本社長は次のようにコメントしました。 

 「まずい棒の販売価格は決してリーズナブルとは言えませんが、多くのお客様にご購入いただいたお陰で、今日まで鉄道を存続することができました」

 確かに「まずい棒」は最もスタンダードな「コーンポタージュ味」が10本入りで350円(税別)。1本当たり35円と、もともと「うまい棒」より高めの設定です。それでも"銚電ファン"を中心に多くの人たちに好調に売れたことが、同社の経営にとって大きな支えとなりました。

 ただ、「うまい棒」と同様、「まずい棒」も、昨今の原材料価格の上昇の影響を受けているはず。

 竹本社長はこう続けます。

 「ただ、これ以上の価格転嫁をすると、まずい棒が『きまずい棒』になってしまうので、今のところ値上げの予定はありません」

 これまでも数々の難局をユーモアで乗り越えてきた同電鉄。今回も銚電らしい表現で、価格の据え置きを明言しました。

 なお、同電鉄では24日、3本しかない車両のうち1本の故障が判明。他の1本も検査中のため、当面1本のみで運行する予定です。その影響で、一部運休を余儀なくされることに。何度も危機に陥っては乗り越えてきた同電鉄が、またもや新たな危機に直面しています。

 竹本社長は「車両故障でご利用のお客様にご不便をお掛けしておりますが、まずい棒やぬれ煎餅の販売収益で、一日も早く車両の復旧を目指したいです」と話しています。

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