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佐渡金銀山遺跡群の一つ、道遊の割戸=2019年12月、新潟県佐渡市(池田証志撮影)

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産登録を目指している「佐渡島の金山」(新潟県佐渡市)をめぐり、政府が28日、今年度の推薦見送り方針を一転、推薦を決めた。「努力が水の泡になるのでは…」。そんな不安を抱えていた地元関係者は、期限ぎりぎりでの決定に安堵(あんど)の声を上げた。

「20年近く活動してきた会員もいる。これまでの努力が実り、本当にうれしい」。一般社団法人「佐渡を世界遺産にする会」の庄山忠彦事務局長(64)は語った。

混乱の背景には韓国との間の歴史認識や外交問題が横たわるが、「文化的な価値を認めてほしいとの思いが強く、もやもやとしていた」と庄山氏。平成27年から国内推薦候補に4回連続で落選してきた経緯も含め「苦汁をなめてきた分、感慨深い」と語った。

佐渡金山を管理・運営する「ゴールデン佐渡」の河野雅利社長(57)は「正直ほっとした」と胸をなでおろす。今後は現地調査なども想定されるため「登録までは今後が肝心。世界遺産にふさわしい所となるよう準備していきたい」と思いを新たにした。

地酒「真野鶴」などの蔵元「尾畑酒造」の平島健社長(57)は「多くの人たちの努力が認められ、ようやく『この日』が来た」と述べ、推薦に向け携わってきた関係者らに敬意を表した。その上で「まだハードルも残っていると思うが、島民としても流れを前に進めたい」と話した。

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