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(画像=alexlmx/stock.adobe.com)

韓国「4000トン級原子力潜水艦」開発に燃えるも空回り 決定的な欠陥とは?
近年、原子力潜水艦の保有へ積極的な意図を見せている韓国だが、その思惑に反して軍事面における戦略的、地理的、外交的な「欠陥」が目立つ。中国と米国、さらにはロシアの間に挟まれて軍事上で成果を出せない韓国の現状は、「空回り」「非合理的」「的外れ」という表現がぴったりだ。

■韓国の国防予算が日本を上回る?

韓国国防省(MND)の発表によると、2022年度の韓国の国防予算は前年度から3.4%増の54.61兆ウォン(約5兆2477億円)だ。

この中にはCVX(大韓民国海軍)軽空母(72億ウォン/約6億9,185万円)や小型衛星システム(112億ウォン/約10億7,621万円)、韓防衛企業であるLIGNex1による長距離地対空ミサイルの開発プログラムが含まれる。予算案には、KF-21戦闘機を開発するための韓国航空宇宙産業(KAI)プロジェクト(4,540億ウォン/約436億 2,778万円)も含まれていた。

韓国の新年度の国防予算は今や日本と並ぶ勢いで、2023年度には日本を追い越す可能性が浮上している。日経新聞の報道によると、実質的には「2018年の時点で韓国が日本を上回ったと日本政府は判断している」。人口一人当たりの予算を比較すると「韓国は日本の2.4倍」だ。

■文在寅大統領 次なる野望は「原子力潜水艦」

しかし、これほど巨額を投じて軍事力の強化を図っているにも関わらず、思惑通りの成果につながっておらず、空回りしている感が否めない。

その典型例が潜水艦開発である。韓国は現在、日本より1隻少ない21隻の潜水艦を所有しており、2021年9月には3,000トンのAIP(非大気依存推進)潜水艦「申采浩(シン・チェホ)」を進水させた。
文在寅大統領の次なる野望は、軍事強国の象徴とされる原子力潜水艦を保有することだ。原子力潜水艦は半永久的に潜水できるという特徴から長期潜航に向いているが、潜水中のノイズが難点だ。

現時点において原子力潜水艦を保有しているのは、核保有国である米・英・仏・露・中・印の6ヵ国のみだが、8隻の原子力潜水艦の建設を計画しているオーストラリアがいずれここに加わることになる。オーストラリアに技術を提携するのは原子力潜水艦のエキスパートである米英だ。3ヵ国は2021年9月に、安全保障協力の枠組みである「AUKUS(オーカス)」を発足させた。

■戦略的・地理的・外交的な欠陥とは? 

豪に続けと、2030年を目標に4,000トン級の原子力潜水艦開発に燃えている韓国だが、これが他国の失笑を買っている。

原子力潜水艦の主な目的は、海中で敵の潜水艦を監視し、必要とあれば攻撃することだ。つまり、韓国が原子力潜水艦を保有するということは、最大の軍事的脅威である北朝鮮との軍事的衝突に備えての動きと見て間違いないだろう。

しかし一部の専門家いわく、それならばSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)6発を搭載する「申采浩」など、すでに保有している攻撃型の通常動力潜水艦で十分に対応可能だ。