2022年2月22日、韓国メディア・韓国経済によると、
与党「共に民主党」の大統領候補、李在明(イ・ジェミョン)氏が21日のテレビ討論会で、
「韓国はもうじき基軸通貨国になるという報道もある」と発言し、それを根拠に
「韓国は大規模の国債を発行しても差し支えない」と主張したという。

韓国銀行は基軸通貨を「複数の国の暗黙の同意下で国際取引において中心的役割をする通貨」と定義しており、
記事は「世界の外為取引、外貨保有額の相当部分を占める米ドルが基軸通貨として認められている」と説明している。
また、韓国銀行は「国際貿易決済に使用される通貨」「為替レート評価の指標となる通貨」

「対外準備資産として保有される通貨」の3要件を満たすのが「基軸通貨」だとしているが、

「韓国のウォンはこれらを満たしていない」と記事は指摘している。

国際銀行間通信協会(SWIFT)によると、
今年1月の国際決済通貨比率は米ドルが39.92%でトップ。
ユーロ(36.56%)、英ポンド(6.3%)、人民元(3.2%)、日本円(2.79%)、
カナダドル(1.6%)、豪州ドル(1.25%)、香港ドル(1.13%)と続く。
ウォンは0.1%水準で20位以内に入っていない。
国際決済銀行(BIS)が3年ごとに発表する世界の外国為替商品調査によると、1位は米ドルの88.3%で、ユーロ(32.3%)、
日本円(16.8%)と続く。ウォンは2.0%にとどまる。
国際通貨基金(IMF)によると、昨年9月末現在の世界の外国為替保有額に占める割合は米ドル(59.2%)、ユーロ(20.5%)、
日本円(5.8%)、英ポンド(4.8%)、カナダドル(2.2%)、
スイスフラン(0.2%)、その他(2.9%)となっており、ウォンは0.2%未満と推定される。

韓国銀行関係者は「世界の外為市場にウォンが基軸通貨と評価するところはないだろう」
「基軸通貨国は危機に直面しても安定的に耐えられるだけの経済ファンダメンタルの下支えが求められるが、
危機に直面するたびに外国人資金が流出し、南北対立の状況にもある韓国は、基軸通貨国となる条件を満たせていない」と指摘している。

こうした状況にもかかわらず、李在明氏と与党は
「韓国は国債をもっと発行し、国家債務比率を上げても問題ない」との主張を続けているという。
21年末、韓国の国家債務比率は51.3%に達したが、与党は「先進35カ国平均(83.2%)を下回り、25位につけているので、
まだ借金をしても問題はない」としているという。

続く