https://i.gzn.jp/img/2022/02/26/ghost-of-kyiv-dcs/00_m.jpg
by Tech. Sgt. Charles Vaughn

2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻の中で、ウクライナ軍のあるエースパイロットが30時間でロシア軍の機体6機を撃墜し「 キエフの幽霊(Ghost of Kyiv)」と呼ばれているという話が出回っています。本当に1人でロシア機を6機撃墜したパイロットがいるのかどうか、その真偽は定かではありませんが、少なくとも、「『キエフの幽霊』による撃墜映像」としてSNSで出回っている映像がシミュレーションによるものであることが指摘されています。

ネット上に出回る情報の真偽を確かめているサイト・Snopes.comによると、「『キエフの幽霊』がロシア機を撃墜するところ」として出回っているものは、映像としては「ある種ホンモノ」で、説明が間違っているとのこと。

実はこの映像のもとはYouTubeにComrade_Corb氏がアップロードした以下の映像。タイトルを訳すると「キエフの幽霊|ウクライナ軍の MiG-29とロシア軍の Su-27によるドッグファイトをDCSでシミュレートしてみた」となります。動画の説明欄にも、「『キエフの幽霊』にリスペクトを込めて作成したものです」とあり、戦場をシミュレートできる Digital Combat Simulator Worldで作られたものであることがわかります。つまり、「キエフの幽霊」の映像といえなくもないものの、「実際にロシア機を撃墜するところではない」というわけです。

なお、この映像がシミュレーションであることと、「キエフの幽霊」が実在するかどうかという点は関係がないため、1人でロシア機6機を撃墜したというエースパイロットの存在が否定されるものではありません。

情報によると、「キエフの幽霊」はシミュレーション映像で示されたようにMiG-29に乗って、Su-27のほか、MiG-29を1機、 Su-35と Su-25をそれぞれ2機撃墜したとのこと。ウクライナ軍関係者は実際に複数のロシア軍機を撃墜したと主張していますが、ロシア側はタス通信を通じて主張を否定しているとのことです。

https://gigazine.net/news/20220226-ghost-of-kyiv-dcs/