韓国の左派系紙が、キムチや韓服などの中国起源説に憤る韓国人に対し、我が身を振り返れとする指摘を行っている。

京郷新聞は3日、チャン・ユスン檀国大学教授の寄稿文『国粋の時代』を掲載し、中国が韓服やキムチの起源説を唱えたことが韓国人の反中感情を招いたとしつつ、「世界の人はキムチと韓服を中国のものと勘違いしない」とし、その理由を「《万物中国起源説》はすでに世界的に有名だからだ」と指摘した。
一方でチャン教授は、「他人を責めるためには、まずは自らの過ちを振り返るのが順番だ」とし、「歴史を歪める彼らの前で私達は果たしてどれだけまともなのか」と問うている。

チャン教授は「歴史歪曲は帝国の植民支配正当化のための手段だ。しかし、植民地知識人の抵抗手段でもある」とし、「日帝強占期(日本統治期)は私たちの手で私たちの歴史を歪曲した」としつつ、その時代に 「桓檀古記」「揆園史話」などの偽歴史書が出され、古代韓民族が大陸の支配者だったという内容が盛り込まれたことを伝えた。

チャン教授は、これら書物に付いて「明らかな歴史歪曲だが日帝強占期という状況を考慮すると、酌量の余地がある」とし、「民族の自尊心を回復することが優先だったからだ」と述べている。
一方でチャン教授、朝鮮半島の解放後もこのようなトンデモ主張が止まらないことは問題だとし、いまでも「韓民族大陸支配説」(※)や「漢字東夷族創設説」「孔子東夷族生まれ説」などを信じる人がおり、「1990年代までは新聞でも公然と出回っていた話だ」と伝えた。(※東夷族は朝鮮民族の先祖であり、漢字も東夷族が作り、孔子も東夷族出身だとする説)

チャン教授は1990年代に中国と韓国が国交を結んだ際、白頭山(長白山)に行った韓国人観光客が天池(白頭山頂上の池)に登り太極旗を振り、「大韓民国万歳」を叫んだことを挙げ、「この分別のない言動が東北工程(中国の歴史修正)に火をつけたというのは周知の事実だ」と批判した。その上で「過去の歴史とは別に、今の現実は尊重しなければならない」と付け加えた。
続けて「国家が急激な成長を遂げれば、これまで先進国を模倣するのに忙しくて無視していた自国文化を振り返るものだ」とし、「高まった地位に支えられ、文化的自尊心が爆発する」とチャン教授は指摘する。そして「国粋の時代が到来する」としつつ、それは日本や韓国も経験し、今は中国が経験する「はしかのようなものだ」と述べている。

チャン教授は「反日感情と反中情情を利用して自らの実利を得ようとする部の政治家と御用学者の立ち回りに同調することはない」とし、「日本と中国も反韓感情を国内政治に利用する。彼らの行動を鋭意注視する必要はあるだろうが、一緒に興奮するのは禁物だ」と伝えている。

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