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11歳になった今もダッシュ&ジャンプを見せるワリオ(提供写真)

 有田芳生さん(参議院議員)

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 ここ4年ほど、仕事で毎月、沖縄に行っています。定宿にしているホテルの近くに公園があって、そこに地域猫がいるんですよ。

 いつも必ず会うのは、目の周りがパンダみたいな猫と、黒ブチの小さめの猫。パンダみたいなのはバイクのシートの上にじっと座っていて、僕が近づいても全く動かない。黒ブチの方は僕を見ると鳴きながら近づいてきて、ひっくり返って背中を地面にすりつけたりします。

 この猫たちには定期的に会っていたんですが、黒ブチは最近1年くらい姿を見かけませんでした。暖かい沖縄とはいえ、外で暮らす地域猫の暮らしは厳しいだろうし、もしかして……と心配していたところ、この前、いたんですよ。よかった!

 猫が好きになると、どこに出かけても猫のことを気にして探すようになりますよね。

 市場の空き地に置いてあるホウキの横にちょこんと座っているとか、猫がどんなところにいるかわかってきたので、見かけると写真を撮って楽しんでいます。

 こんなふうに話していると昔からの猫好きに思われるでしょうが、実は僕は犬派だったんです。

 子どもの頃は実家でポメラニアンなどを飼っていて、猫には何の興味もなかった。

 それが11年ほど前、長男が子猫の捨て猫をもらってきたので、家で飼うことになりました。

 わが家の猫となったワリオを見ていると、とにかく凄い脚力、ジャンプ力に驚かされます。さすがライオンの仲間。11歳になった今も、いきなりスイッチが入って狩りのようなダッシュ&ジャンプを見せてくれますよ。

 そんな激しい遊びに付き合うのは長女。ゆったり過ごしたいときは次女のそば。夜、僕が帰宅すると慌てたようにソファに上がり、座るとすぐ膝に乗ってきます。

 いつぞや沖縄でピーマンを作っている市会議員の友人が「人は裏切るけれどピーマンは裏切らない」と言いましたが、僕は「人は裏切るけれど猫は裏切らない」と思いますね。

 政治の世界は裏切りやたくらみがつきものだけれど、猫に本音と建前はない。気持ちを込めて世話をしていれば、ちゃんと応えてくれる。

 猫はただそこにいるだけで、見ているこちらがホッとして幸せになります。さあ、公園に行って沖縄の地域猫に挨拶してから、わが家のワリオのもとに帰りましょう。

(構成=鈴木美紀)

▽有田芳生(ありた・よしふ) 立命館大学経済学部卒業後、フリージャーナリストとして霊感商法、統一教会、オウム真理教による地下鉄サリン事件、北朝鮮拉致問題などに取り組む。2010年、参議院議員初当選。民主党(当時)比例区で、トップ当選。現在2期目。

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