スズキはインドで、油冷単気筒エンジンのジクサー250をベースとした新型スポーツアドベンチャー「V-STROM SX(ブイストローム エスエックス)」を発表した。マスター・オブ・アドベンチャーを標榜し、フロント19/リヤ17インチと足まわりも最適化。日本への導入も期待がかかる!

ターンバイターンのナビゲーションも標準搭載!
スズキは、インドでも好評な油冷単気筒モデル・ジクサー250をベースとした(と思われる)新型スポーツアドベンチャーモデル「VストロームSX」を発表した。現行の2気筒モデルのVストローム250よりも格段にスリム&軽量、かつ前後ホイールは前19/後17インチへと変更された、本格クロスオーバーの位置付けだ。

なにより注目は油冷システム『Suzuki Oil Cooling System(SOCS)』を採用したエンジンだろう。ジクサー250が登場した際、1980年代の油冷とはシステムが異なり、ヘッドが非常にコンパクトに造られた単気筒は、他機種への展開も夢想させるものだった。クランクケースに対するシリンダーの小ささからは、排気量拡大の可能性も残した設計なのではとうかがえたが、満を持して投入されたのはアドベンチャーモデルだったわけだ。

2気筒モデルよりもパワフル(とはいえ2気筒には豊かな低速トルクがあって扱いやすく、どちらが上というものではない)で軽量なエンジンを搭載するニューモデルのコンセプトとして、用途の広いクロスオーバーモデルは最適解のひとつだろう。

デザインは、レトロな雰囲気も併せ持つVストローム250や、丸みを帯びたVストローム650とは異なり、伝説的なDR-Zレーサーなどからインスパイアされた、1980年代テイストの角ばったボディラインが魅力のVストローム1050系と同じ流れを汲むもの。ホイールはジクサー250と同系デザインのキャストながら、前述のように前19/後17インチへと変更されている。前後ブレーキはもちろんディスクを採用。LEDの八角形ヘッドライトは、ネイキッドモデルのジクサー250とかなり似て見えるが、同じユニットかどうかまでは確認できない。ちなみにテールランプもLEDだ。

電制系では、セルボタンを一押しするだけでエンジンを始動するまでセルモーターが回るスズキイージースタートシステムを搭載するほか、新たにスズキライドコネクトと呼ばれる機能でスマートフォンとブルートゥース接続ができるようになり、ターンバイターンナビゲーションや電話の着信などに対応する(日本仕様が導入された場合に搭載されるかは未知数)。また、メータークラスターの左横にはUSB充電アウトレットも装備している。

日本マーケットでは本格オフロードマシンがラインナップから外れ、“そっち系”はアドベンチャーツーリングのVストローム250だけとなっているが、もしVストロームSXが導入されれば、スポーティなクロスオーバーモデルとして人気を呼びそうだ。