https://cdn.mainichi.jp/vol1/2022/04/15/20220415k0000m040293000p/9.jpg
NHK発注の工事で、運搬車が通って付いたとみられる走行用ベルトの痕跡=和歌山県高野町の高野参詣道女人道で2022年4月14日、県提供

 和歌山県教委は15日、NHKが発注したテレビ中継放送所の工事に伴い、同県高野町の世界遺産・高野参詣道女人道(にょにんみち)に施工業者が無断で土のうを敷き詰め、路肩や階段の一部が破損したと発表した。国史跡を無断で現状変更した文化財保護法違反の疑いがあり、県教委は工事を中止するよう指導。「国や町などと協議して原状復旧を図るとともに、法令に基づき厳正に対処する」としている。

 県教委によると、業者は放送所の設備更新に伴う資材運搬のため、史跡指定範囲内で約200メートルにわたって土のうを敷き詰め、その上を走行用ベルトの付いた運搬機を通行させた。路肩や木製の階段の一部が破損しているという。

 13日午前、県世界遺産センターの職員が現場付近を通りかかり、無許可で現状変更されていることが発覚した。県教委は14日、現地を確認し、業者に工事を中止するよう指導した。

 高野参詣道の一部は、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産で、国史跡として保護されている。2016年に追加登録された女人道は、高野山境内の外周に配された女人堂を結ぶ巡礼路。

https://mainichi.jp/articles/20220415/k00/00m/040/252000c