世界中で続く半導体の不足について、半導体製造機器メーカー「ASML」のピーター・ウェニンクCEOが「大手メーカーが半導体を回収するために古い洗濯機を購入している」という小話を披露し、引き続き深刻な供給状態にあるという見解を示しました。

ウェニンク氏は2022年4月20日に行ったASMLの決算発表において、第1四半期の売上が予想を上回っていたことを公表。半導体リソグラフィ技術を提供する同社は引き続き売上高を伸ばしていくだろうと予想しました。

ウェニンク氏はアナリストとの対話で「現在、顧客基盤に衰退の兆候は見られません」と述べ、半導体需要が高い水準を保っていることを強調。さらに「これまでに機器を販売したほとんどすべての顧客が、半導体を利用した古い製品を買いあさっています」「某大手企業は半導体を回収するために古い洗濯機を購入しています」と述べ、半導体供給能力の限界に達した企業が古い機器を買い集めている状況を明かしています。

また、ウェニンク氏は「古い機器の半導体を再利用することは例外的な事例ではなく、どこでも起こりうることです。現在の半導体生産には15年、20年、25年前の半導体技術が再利用されています」と付け加えました。


なお、AMDのリサ・スーCEOは世界的な半導体不足について「2022年下半期には深刻なものではなくなるだろう」という楽観的な見方を示しています。一方で、半導体メーカーのIntelは「供給不足は2023年まで続く」と厳しい見方を示しています。

https://gigazine.net/news/20220425-chip-shortage-ripping-washing-machines/