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 現地時間4月26日、ロシア・モスクワのクレムリンで開催されたのが、北京五輪のメダリストたちを表彰する記念式典だ。ウラジーミル・プーチン大統領の肝煎りでようやく実現の運びとなり、北京パラリンピックの開幕直前で除外を通達されたパラリンピック選手団も招かれた。

 そのセレモニーの壇上で、パラリンピアンたちにメッセージを贈るプーチン大統領だったが、やがて怒りの矛先は世界のスポーツ界による“ロシア勢締め出し”の動きに向けられていく。スポーツメディア『Sport24』によると、大統領は「あなたたちが栄光を掴むためにしてきた準備を台無しにする、受け入れがたい決定だった」と北京パラリンピック組織委員会を糾弾し、次のようにまくし立てた。

「いま広がっているロシアとベラルーシの選手たちに対する出場禁止処分は、スポーツの基本理念を踏みにじるだけでなく、あえて言おう、基本的人権をも酷く侵害するものだ! 我々のアスリートたちは国籍と市民権に基づく、純粋な政治的理由だけで差別を受けている。考えられないことだ! オリンピズムとパラリンピズムに明らかに反するものである」

 さらに大統領は、東京五輪・男子競泳の自由形で2冠に輝いたエフゲニー・リロフが「9か月の出場停止」を受けた最新トピックにも言及。FINA(国際水泳連盟)はリロフが3月にモスクワで行なわれた「クリミア併合8周年イベント」に参加した政治的行為を理由に挙げたが、どうにも憤懣やるかたない。

「我々のスイマー、リロフにまつわる話はまったく馬鹿馬鹿しい! ロシアとクリミアの再統一を祝したコンサートに出席しただけで、なぜにこれほどまでの仕打ちを受けなければならないのか。彼ら(FINA)は物事を完全に不条理なものへと帰結させてしまっているんだ」

 一方で、オリンピアンたちから相次いで感謝の言葉を受けたプーチン大統領は上機嫌。「君たちは真のヒーローだ! 国家のため、国民のため、君たちの成功は非常に重要なんだ。強く強調されてもらうよ。そして君たちのさらなる成功を祈っている!」との激励で締めくくった。

構成●THE DIGEST編集部

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