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趣味性極まるコンプリート車やサイドカーの製作などで知られるオートスタッフ末広は、ホンダの大人気車「CT125・ハンターカブ」専用のサイドカー「Uedi(ウェディ)」を7月1日に発売する。125cc/原付二種クラスのハンターカブだが、サイドカーにより軽二輪登録となるため、その気になれば高速道路も走れてしまう。乗車定員は3人だ!

●写真:真弓悟史 ●外部リンク:オートスタッフ末広

2人で操縦するかのように、息を合わせて!
バイクを“単車”と呼ぶことがあるのをご存じの方も多いだろう。別に単気筒エンジンを搭載しているからとかではなく、実はバイクはサイドカー付きのほうが一般的だった時代があり、その名残からである。サイドカーを側車、サイドカー付きを側車付きオートバイなどと呼び、側車を外してバイク単体としたものを単車と呼んだのだ。

とはいうものの、現代においてサイドカーならではの楽しみに触れる機会はなかなかない。ハンターカブ専用サイドカー「Uedi(ウェディ)」を紹介する前に、サイドカーについて簡単に紹介しよう。

一般的な後付けのサイドカーは、バイク=単車の横に1輪の側車(船とも呼ばれる)を連結し、バイク側の後輪のみを駆動輪とした変則的な三輪車として構成される。これによってバイクは直立で固定され、傾けて曲がる乗り物からハンドルを切って曲がる乗り物へと変化するわけだ。単車は走行中にハンドルを切ると反対側に傾く特性を持っているが、サイドカーは曲がりたい方向にハンドルを切る。

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たとえスポーティな走りでなくても、曲がる時は一緒にイン側へ!

そして、サイドカーは基本的に傾かないが、遠心力が強くなると船側が浮き上がったりすることもある(バイク側を浮かす猛者もいるとか)。なので、曲がる時にはなるべくイン側に体重移動、パッセンジャーが乗っているなら、同じ方向に体重移動してもらうのが基本となる。傾かないけれど大げさに体重移動するという、この操縦感覚こそがサイドカーならではのもの。また、加速&減速で船に慣性力が働くため、直進していても操舵を意識する必要があったりする(ヤタガイ&にゃんばちゃんによるウェディ試乗インプレッションは追ってお届けしたい)。

見逃せないのは、51~125ccの原付二種がベースであっても、サイドカー登録するにあたって幅が1300mm以下なら、車検対象外の軽二輪扱い(側車付軽二輪)になること。1300mmを超えると車検対象の側車付二輪自動車という扱いにはなるのだが、いずれにしても排気量変更をしないまま高速道路を走れてしまうわけだ。もちろん走行性能が上がるわけではないので、主なメリットは操縦感覚の違いを楽しめることや、サイドカーならではの利便性ということになる。高速道路については、法定最低速度を満たす必要もあって、法規上は可能という注釈付きと考えたい。

また、これも“法規上は可能”というというやつではあるが、このハンターカブ・ウェディは乗車定員が3人になる(ちなみに大型二輪をベースとしたサイドカーには4人乗り仕様も存在する)。オートスタッフ末広は2人までを推奨としているが、イザとなれば3人乗ることができるのだ、と思えるだけでもワクワクしてしまう。