通常国会の会期末を15日に控え、主要野党の分断が改めて浮き彫りになっている。立憲民主党は、細田衆院議長の不信任決議案と内閣不信任決議案を相次いで提出する方針で、共産党は同調する構えだ。これに対し、日本維新の会と国民民主党は冷ややかな態度を崩していない。

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 立民の泉代表は5日、千葉県流山市で記者団に対し、「物価高に対応できていないという声は大きい。不信任に値する。最終的な判断の段階に来ている」と述べた。内閣不信任案の提出に向け、野党間の調整を進めていることも明らかにした。

 泉氏は、枝野幸男・前代表の「抵抗路線」を転換し、「提案路線」を掲げてきた。今国会では抵抗色を薄めたが、党勢が上向く気配はない。国会最終盤になって対決色を前面に出すのは、閉会直後に参院選が控えているためだ。泉氏が内閣不信任案の趣旨弁明に立つ方向で、岸田内閣を糾弾し、参院選に向けた最大の見せ場にしたい考えだ。

 野党による内閣不信任案提出は、会期末のおなじみの風景だ。昨年の通常国会では、当時の菅内閣と良好な関係だった維新を除き、立民、国民などの野党がまとまって提出した。近年は、新型コロナウイルス対策を理由に提出を見送った2020年を除き、18、19両年の通常国会でも立民や国民、共産などが共同提出した。

 これに真っ先に疑問を投げかけたのが、与党に接近する国民だ。古川元久国会対策委員長は1日の記者会見で「『会期末になるといつも不信任を出す』という(野党の)あり方への一般国民からの視線もある」と述べ、同調しない姿勢をにじませた。岸田内閣への対決姿勢を強める維新の馬場伸幸共同代表は1日、「岸田内閣は何もしていないので、不信任という気持ちにはならない」と突き放した。

 細田衆院議長の不信任案についても、維新、国民ともに「週刊誌報道だけを根拠にしたものには賛成しにくい」と否定的だ。

 現状では、主要野党で立民と共同歩調をとるのは共産のみとなりそうだ。「立憲共産党」とやゆされた昨年の衆院選に続く構図となることに対し、立民内からは「『立共』が強調されてしまう不信任案では、逆にマイナスだ」(ベテラン)との声が出ている。

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