英国の陸軍トップは「ヨーロッパの戦争に再び備えなければならない」と兵士らに警告した。

英スカイニュースによると、先週英国陸軍参謀総長に就任したパトリック・サンダース将軍は19日、兵士らに向けた声明文で、ロシアのウクライナ侵攻は「陸上戦を戦い勝利する準備をすることで、英国を防衛するという我々の本来の目的をはっきりと示している」と説明。

「同盟国と協力しロシアを打ち負かすだけの軍を組織することが今、急務となっている。我々は、ヨーロッパでの戦争に再び備えなければならない世代なのだ」と呼びかけた。また「大陸国を巻き込む陸上戦が直近に迫っている」中で、自分は1941年以来初めて英陸軍を率いる者となる、とも記した。

声明発表の前、ロシア外交の専門家は英メディアの取材に対し、近くベラルーシ軍が参戦する可能性に言及していた。

欧州分析センター大西洋防衛・安全保障プログラムのシニアフェロー、マーク・ボイジャー氏は、6月と7月にベラルーシがウクライナと国境を接するホメリ州で行う軍事演習について「深刻な懸念を生じさせる」と指摘。「ロシアとその同盟国は、軍事演習を攻撃行為の隠れ蓑にしてきた」経緯があると語った。

同氏は以前、イラクやアフガニスタンの米陸軍顧問、2012年の大統領選の共和党候補、ミット・ロムニー米上院議員の選挙陣営スタッフなどを務めた経験がある。

プーチン氏は2014年、ソチオリンピックを保護するためだけに使用するとして、大軍を国境近くに移動。NATOに対して、オリンピックを安全に保つためにウクライナ国境東側と黒海から「演習」を行うと説明したが、東部で実際の攻撃を開始し、クリミア半島を併合した。

現在のウクライナ侵攻にも同様の手段が使われた。2021年に軍事演習を行うとして15万人の兵士をウクライナ国境に集結し、今年2月に全面侵攻を開始した。

ボイジャー氏は「懸念されるのは、プーチン氏がベラルーシのアレクサンダー・ルカシェンコ大統領に対し、もっと積極的にベラルーシ軍の介入を促すよう圧力をかけていることだ」と指摘。「ロシア軍がベラルーシに入り、2月にウクライナ北方から攻撃した」と述べた上で、「兵の不足に直面している」ロシアにとっては「いかなる追加部隊も可能性を大きく広げるが、特に再び北方から攻撃する場合、ベラルーシ軍を使用する可能性がある」と語った。

プーチン大統領の親密な同士として知られるルカシェンコ大統領は先月、欧米諸国がウクライナに武器を提供し続ければ第三次世界大戦が起きると警告していた。

https://www.mashupreporter.com/uk-army-chief-warns-that-britain-must-prepare-to-fight-over-ukraine/