【エルマウ(ドイツ南部)=横堀裕也、山内竜介】ドイツで26日に開幕した先進7か国首脳会議(G7サミット)で、G7各国は途上国などへのインフラ投資促進に向けた新たな枠組み「グローバル・インフラ投資パートナーシップ(PGII)」を発足させた。米ホワイトハウスによると、政府投資を呼び水に民間資金も引き出し、2027年までに投資総額6000億ドル(約81兆円)を目指す。中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗する。

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記念撮影に臨む(右から)フォンデアライエン欧州委員長、岸田首相、ジョンソン英首相、バイデン米大統領、ショルツ独首相、マクロン仏大統領、トルドー加首相、ドラギ伊首相、ミシェル欧州理事会常任議長(26日、ドイツ南部エルマウで)=西孝高撮影

 バイデン米大統領は26日、G7首脳らと並んで演説し、一帯一路を念頭に、「我々の投資は共通の価値観に基づいており、根本的に違う。人々の生活を真に改善するものだ」と述べた。米政府は民間投資も含め、5年間で2000億ドルを投入する考えで、環境やデジタル、保健などを重点分野に挙げた。

 ホワイトハウスはPGIIの枠組みで投資する先行事例も発表した。米国際開発庁(USAID)が4000万ドルを投じ、東南アジアでクリーンエネルギーの導入を加速させる事業や、G7や欧州連合(EU)が協力してセネガルに330万ドルを投資し、新型コロナウイルスワクチンの開発支援を行う事業などだ。

 世界銀行によると、低・中所得国の中国に対する債務は、2020年末時点で約1700億ドルに上る。返済能力に見合わない融資を受けた国が借金漬けに陥る「債務のわな」への懸念は強い。

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