まさに、日本中が「汗まみれ」...。各地で統計開始からもっとも早い梅雨明けが発表されるなど、厳しい暑さに襲われている日本。本格的な夏の到来を控えて「この夏を無事に乗り切れるか...」と、不安を通り越して恐怖を感じるほどです。

政府が「電力需給ひっ迫注意報・警報」を発令するほどの「日本の異常気象」を海外メディアも相次いで報じていますが、面白いことに「注目ポイント」がちょっと異なる様子。海外メディアが伝える「日本の暑い夏」を追ってみました。

海外メディア、日本列島が「汗だく」で「焼かれている」!
梅雨明けが発表されたとたん、各地で危険なレベルの暑さが続いています。私も先日、出張先の埼玉県桶川市で39度を「初体験」しましたが、直射日光がものすごいパワーで全身を直撃! 室内の冷房もあまり効かず、まさに「逃げ場のない暑さ」でした。そんな日本の暑さを、英BBC放送は「日本中が地獄のように暑い」と伝えています。

Japan is sweltering in its worst heatwave since records began in 1875
(日本は、記録を開始した1875年以来最悪の猛暑で、地獄のように暑い:英BBC放送)
swelter:汗だくになる、地獄のように暑い
heatwave:酷暑、熱波

さすが、BBCは短い文章で「異常さ」を伝える術にたけています。「swelter」(汗だくになる、地獄のように暑い)という単語を使うことで、日本の暑さの異常さや湿っぽさがイメージできますし、「since1875」(1875年以来)と具体的な年号を示されると、19世紀以降で初めての異常事態、ということがストレートに伝わってきます。

日本メディアがよく使う「統計開始以来」という表現よりも、「1875年以来」の方が「歴史的異変」を伝えるには効果ハツグンではないでしょうか。

同様に、「伝え方」に工夫を感じられるのが米国のワシントン・ポスト紙です。個人的には、桶川市で体験した「太陽に焼かれるような暑さ」をうまく表現している見出しにめちゃくちゃ共感しました。

Record heat wave cooks Japan, straining power grid
(記録的な熱波で日本が焼かれていて、電力供給に必死:米ワシントン・ポスト)

「cook」はおなじみ「料理をする」という動詞ですが、「焼く」や「蒸す」といった意味でも使われます。この場合は「日本が焼かれている」でも「日本中が蒸している」でも、どちらでもよいと思いますが、いずれにしてもまるで日本列島がフライパンの上で調理されているような暑さが伝わってくる、ユニークな言葉づかいだと感心します。

BBCもワシントン・ポストも、老舗メディアのプライドを感じさせるみごとな「言葉選び」でした。

海外メディアが疑問「なせ電力ひっ迫なのに、エアコンの使用を薦めるの?」
日本の猛暑を伝える海外ニュースで、よく目にするのが通勤途中で「扇子」をあおいでいるビジネスパーソンの写真ですが、最近は「携帯扇風機」で涼をとる人の写真もよく使われています。海外の人にとって、「携帯扇風機」を持って歩いている姿はめずらしいのでしょう。

さらには、「Is it time for men in Japan to start using parasols?」(そろそろ、日本の男性が日傘を使い始める?)と、暑さ対策で男性用日傘が普及し始めていることに触れたニュースもありました。