広島県呉市の80代男性が6月4日、マダニの媒介するウイルス性感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に感染し、亡くなった。広島県内で今年、SFTSの死者は初めて。

 男性が体調不良を訴え、原因が分からない間に容体は急激に悪化し、13日後に亡くなった。「あんなに元気だったお父ちゃんを奪う恐ろしい病原が、身近にいたなんて知らなかった」―。男性の妻は取材に、ぼうぜんとした表情で語った。

 男性は5月22日、日課の農作業中に「熱中症になったようだ」と一緒にいた妻に伝えた。普段より2時間ほど早い午前11時ごろに帰宅。翌23日、男性の体調は悪化し、下痢をした。熱っぽかったが突然のことに体温計が見当たらず、計測できなかったという。

 その翌日も回復せず、近くの病院にかかったが、原因が分からないまま帰宅。妻によると39度近い発熱があり、歩行もままならず、「食べて」と差し出したおかゆも喉を通らなくなった。

 26日に入院が決まった。原因が分からず、翌日に転院する頃には意識は遠くなり、転院先の病院名を弱々しく口にするのがやっとだった。

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