「鳶に油揚げをさらわれる」
“大切なものを不意に横取りされること“を意味することわざですが、本当に油揚げをさらわれた豆腐店が金沢に実在しました。

豆腐店主が語る“さらわれた瞬間”
観光名所「ひがし茶屋街」からほど近い創業73年の老舗・髙山とうふ店。豆腐と言えばスーパーなどで買うのが定番ですが、ここの豆腐店は昔ながらの行商スタイル。店主の髙山幸一さん自らリヤカーで売り歩く姿は、まちの名物です。
髙山さんが、トビ(通称:トンビ)に襲われたのは、5年前。
髙山とうふ店・髙山幸一さん
「チリンチリン(リヤカーでの配達)しとって、お会計待ちでボーっとしていたら手に持っとった油揚げをさらわれた。わぁ!やられた!という感じ。びっくらこいた。」

髙山さんがトンビに襲われたのはその1回だけですが、奥さんや常連のお客さんもトンビに食べ物をさらわれたことがあるそうです。

「トンビが焼き鳥」を…まち中でも被害続出
トンビに食べ物を奪われた経験、まちの人に聞いてみると・・・
女子高生
「自転車のカゴにお菓子を置いていて、それをトンビにバァーンってとられた」
男性
「焼き鳥を持っていたら知らないうちに無くなっていた」

金沢の初夏の風物詩、金沢百万石まつりでも・・・

場内アナウンス
「ただいま、三の丸広場の上空にトンビが飛んでおります。みなさんの手元を確実に狙っております」


トンビは何を食べる?獲物捕獲の瞬間を狙え!
人間の食べ物を狙うトンビ、普段は一体何を食べて生きているんでしょうか?トンビが多くみられるという情報を得て、金沢市中心部から30分、河北潟干拓地へ。そこには、耕された畑に群がる大量のトンビが。

ディレクター
「あ!食べてる食べてる!ネズミ食べてますね!今ちょうど滑空して、ネズミを捕っていきました」

スローで映像を確認すると、トンビがネズミをくわえて飛び立ち、さらに足に持ち替えて上空へ飛んでいく様子が確認できます。
農家・北博之さん
「トラクターで地面をひっくり返すと、中から野ネズミやミミズ、小さい虫が出てくるのを、トンビたちが狙って群れになって飛んでくる。」

トンビに襲われないには…「お面をかぶる」?
猛禽類の生態に詳しい専門家、日本オオタカネットワークの副代表で、北陸鳥類調査研究所の今森達也代表取締役によりますと、トンビは普段、動物や魚の死骸を主食としていて、“自然界の掃除屋“とも呼ばれています。また、トンビは目が良く、人間に例えると8.0以上とも言われています。上空で輪を描くようにして舞いながら獲物を探し、100m離れた場所からでも1cm程度の物体を見つけることができます。

トンビから身を守る方法はないのか、今森さんに聞いてみると・・・
今森さん
「基本的にトビは見られていると攻撃できない。“来る”と思った時にパッとトビの方を見てやると、攻撃をやめて帰っていきます。なので、頭の上に顔があるようなお面でも被っておくとどうでしょうか?襲われないんじゃないかと思いますよ。実験してみるといいんじゃないですか?」

トンビに襲われない方法を試してみた

専門家の助言をもとに、スタッフがメロンパンをもって実験してみましたが、開始3分でトンビに襲われることに。この結果を今森さんに報告すると、実験時のやり方に問題があったのではないかとのこと。「“目をつぶっているお面ではなく、しっかりと目を開いたお面”。“後頭部ではなくトンビが真上から見える頭頂部”で実験したすべきだった」とのことでした。

今森さん
「トビが飛んでいる環境で食事をする場合は、1人ではなく2人以上で、できるだけ死角なくトビを監視するのが望ましい」

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/mro/85977