自民党の安倍晋三元首相は5日、JR仙台駅前で演説し、10日投開票の参院選に宮城選挙区から立候補した同党現職に「大きな力を与えてほしい」と支持を呼びかけた。現職は旧民進党に所属していた当時、安倍氏追及の先鋒(せんぽう)を担っただけに、融和をアピールした形となる。

安倍氏は、現職との国会での論戦を振り返って「質問は鋭かったが、議論は楽しみだった。政策の本質を見極めながら、何かをこの議論で作っていこうと気持ちが伝わったからだ」と強調。「われわれの仲間に参加してほしいとお願いしていた。悩んだと思う」と自民入りを勧めたことを明かすと、隣に立った現職も恐縮しきりの様子だった。

現職は民進の「森友学園・加計学園疑惑調査チーム」座長を務め、森友学園を巡る財務省の決裁文書改竄(かいざん)問題で、安倍氏のほか、夫人の昭恵氏の関与も主張していた。それだけに、安倍氏の側近は「安倍さんの魅力は優しいところ。だから、人がついていくんだ」と周囲に語った。

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