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高機動ロケット砲システム「ハイマース」=2011年5月、米ワシントン州ヤキマ演習場(Tony Overman提供・AP=共同)

ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ大統領府のアレストビッチ長官顧問は9日、米国から供与された高機動ロケット砲システム「ハイマース」により過去2週間で約20カ所の露軍の弾薬庫や兵器修理施設を破壊したと発表した。英国防省は同日、露軍は最新装備が不足し、旧式装備の運用を余儀なくされていると分析。ウクライナは露軍の兵站(へいたん)に打撃を与え、継戦能力を低下させる戦略だ。

ウクライナ大統領府のポドリャク長官顧問は10日、ハイマースによる露軍の後方拠点の破壊は戦況の「ターニングポイント」の一つになる、とツイッターで指摘。露軍が兵站に問題を抱えており、現在は攻勢を一時的に弱めて部隊の補給と再編成を進めているとの見方を示している。

ハイマースは高精度の長距離攻撃が可能で、現時点でウクライナ軍が少なくとも数基を運用。米国は8日、4基の追加供与を決定し、供与は計12基となる。

英国防省は9日、露軍が国内で増援部隊を編成しているが、増援部隊には武装や装甲が貧弱な旧式の兵員輸送車「MT-LB」が割り当てられていると分析した。侵攻当初より装備の質が落ちているという。

最激戦地の東部ドネツク州当局は10日、同州バフムト近郊の集合住宅が露軍の砲撃で倒壊し、少なくとも15人が死亡したと発表。20人以上が生き埋めになった可能性がある。英国防省は同日、露軍がルガンスク州ポパスナ周辺でわずかに前進したとの分析を公表した。

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