韓国銀行(中央銀行)は13日、政策金利を年1・75%から2・25%に引き上げることを決めた。急速な物価高への対応で、4月、5月の利上げは0・25%幅だったが、今回の定例の金融通貨委員会では一気に0・50%幅引き上げた。韓銀によると、0・50%幅の利上げは、現状の政策の仕組みとなった1999年以降で初めてとなる。

 韓国では6月の消費者物価指数が前年同月比で6・0%の上昇。6%台は1998年11月(6・8%)以来で、豚肉、白菜、ガソリン、電気代など生活に関わる幅広い品目で物価が上がっている。通貨ウォンも、対米ドルで下落傾向が続いている。

 韓銀はこうした急速な物価上昇を抑えるため、4月、5月に続いて3会合連続の利上げを決めた。

 13日の声明で、今回の利上げが景気を悪化させるリスクを認めつつ、「物価高が定着するのを防ぐため、先んじた政策対応がより重要だと判断した」と説明した。今後も当面は6%を上回る物価上昇が続く、との見通しも示した。

 韓銀は20年5月に、新型コロナ禍を受けて政策金利を0・50%まで引き下げた。その後、21年8月からは利上げに転じ、段階的に進めてきた。一方、韓国では不動産価格の高騰で住宅ローンなど家計の負債が増えており、利上げは返済の負担増にもつながる。(ソウル=稲田清英)

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