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「レア」──。ステーキの焼き加減で肉の表面は焼き色が付いており、中は赤い状態を指す。ステーキではなく、天ぷらを「レア」で食べられるお店があるのをご存知だろうか。

そんな珍しいメニューを食べてみると…。

■食べられる場所は限られる

一風変わった天ぷらを提供するのは、東京・池袋にある「羽田市場食堂 池袋サンシャイン60通り店」だ。「羽田市場食堂」は、日本各地で獲れた魚介類を空輸や新幹線などでその日のうちに運ぶことで新鮮なネタを提供する首都圏を中心に出店しているチェーン店。

全9店舗中、「柏駅東口店」と「池袋サンシャイン60通り店」の2店舗で半生の天ぷらを使った「レア天丼」が食べることができる。天ぷらはマグロ、ホタテ、エビ、スルメイカの魚介類とナス、大葉と盛りだくさん。お値段は税込み2,780円だ。

■高い技術が求められる
以前、天ぷら店を営んでいる知人に聞いたところ、「レアの天ぷら」を作るのは非常に技術がいるそうだ。単純にサッと揚げればいいわけではなく、細かい温度調整が求められるという。

そんな期待の丼を食べるため、池袋店に足を運んだ。食券で「レア天丼」を注文。記者は厨房が見えるカウンター席に座ったのだが、スタッフが頭のついた生のエビに小さく包丁を入れているのが見えた。注文を受けてから一つ一つの作業を丁寧にやっている印象を受けた。

待つこと数分、お目当ての品が運ばれてきた。切り分けられたマグロの天ぷらはたしかに中が赤くなっている。

■マグロの天ぷらを食べてみると…

まずはマグロからいただく。衣はサクッとしているが、中は刺身状態。だからといって冷たいわけではなく、外側は熱々で中はほどよい温かさ。

マグロにはにんにく風味のたれで漬けになっているらしく、脂は控えめながら濃厚だ。「レア」状態なこともあり、刺身というより赤身肉を食べているような感覚になる…。わさびを付けるとツンとくる辛さとよく合う。

卓上には「黒ガリ」という薄めの醤油に漬けられたガリが置いてあり、これがサッパリしていてまたウマい。

■エビに感動
魚介の天ぷらは「レア」だが、野菜はしっかり揚げられておりまったく飽きない。最後にエビをいただく。

個人的にはこのエビに感動した。通常、エビ天はしっかり火が通っているので弾力があるが、このお店のはお刺身で食べるエビそのもの。

1匹丸ごと揚げられており、頭の部分にはなんと味噌も詰まっている。濃厚なエビ味噌とサクサクの衣が堪らない…。今回、普通盛りにしたのだが、ご飯もしっかり盛られていて大食いの記者もお腹一杯になった。

先述した理由から半生の天ぷらは滅多に食べられない。価値としても”レア”な天丼の味を、ぜひ自分の目と舌で確かめてほしい。

【羽田市場食堂 池袋サンシャイン60通り店】

東京都豊島区東池袋1-29-4 1階

(取材・文/Sirabee編集部・斎藤聡人)

https://sirabee.com/2022/08/04/20162909452/