【キーウ=笹子美奈子】ウクライナのドミトロ・クレバ外相は22日、オンライン形式で23日に開かれる外交枠組み「クリミア・プラットフォーム」に、約60か国・機関が参加すると発表した。大統領や首相など首脳級も約40人が参加するといい、クレバ氏は「クリミア問題で全世界がウクライナ側の味方だと示している」と訴えた。

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22日、ウクライナ南部ニコポリで、露軍の砲撃により被害を受けた住宅のがれきを片付ける男性=AP

 クリミア・プラットフォームは、ロシアが2014年に併合した南部クリミアの脱占領を目指し、ウクライナが昨年創設した。昨年は欧州を中心とした46か国・機関の代表が参加したが、今年はアフリカなどからの参加表明もあり、「正真正銘グローバルな」会議になるという。

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 クレバ氏は「ロシアの侵略は、クリミアの占領を終わらせるという問題がいかに緊急であるかを示している。クリミアを取り戻すことは、黒海全域、欧州、そして世界の安全を保証することになる」と述べた。

 一方、戦況をめぐっては、ウクライナ軍が南部で攻勢を強めている。ロシア軍が制圧する南部ヘルソンの当局者などによると、露軍の補給路となっている「アントノフ大橋」が22日、高機動ロケット砲システム(HIMARS)による攻撃を受けて爆発、15人が負傷した。

 露海軍黒海艦隊の司令部があるセバストポリ近郊で22日夜、露軍の防空システムが無人機(ドローン)を撃墜したと、ロシアが一方的に任命した「市長」が明らかにした。セバストポリ当局は、ウクライナ側による新たな攻撃に備え、避難用シェルターの状況を確認したことも公表した。

 ウクライナのソ連からの独立記念日にあたる24日を控え、ウクライナ政府が警戒するなか、露軍の攻撃も相次いでいる。

 南部ザポリージャ近郊ニコポリでは、露軍のミサイルが40発以上撃ち込まれ、高層住宅や民家、バス停、市場が破壊され、民間人4人が負傷した。南部ミコライウでも、ミサイルにより住宅などが壊された。

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