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従業員の不正受給が発覚したベトナム料理店(店のSNSから)

 大阪府警曽根崎署の目の前にある大阪・キタの人気ベトナム料理店が犯罪の温床になり、技能実習生や留学生が国の税金を食い物にしていた。

 大阪市北区のベトナム料理店「BINH MINH(ビンミン)」東梅田店の料理人で、いずれもベトナム国籍のヅオン・ミン・カン(37)と、アルバイトで女子大学生のヴ・ソン・ゴック(21)両容疑者が23日までに曽根崎署と国際捜査課に詐欺の疑いで逮捕された。

 昨年9月、ヅオン容疑者は失業保険をもらうため、公共職業安定所に虚偽申請を行い、6回にわたって銀行口座に80万5050円を振り込ませ、ダマし取った。

「もともと技能実習で来日し、北海道のホテルでバイキング料理を担当しとった。昨年5月、『ベトナムに帰る』と嘘をついてホテルを辞め、ビンミンに転職。昨年12月から今年5月まで失業保険をもらっとった」(捜査事情通)

 一方、ヴ容疑者は今年3月、神戸市内の私立大学を通じて日本学生支援機構に「昨年8月からアルバイトがなくなった」と虚偽の書類を提出。新型コロナの影響で経済的に困窮する大学生に、国から一律10万円が支給される「緊急給付金」を詐取した。学生給付金の不正受給の摘発は全国で初めてのこと。

「ヴ容疑者は昨年3月からビンミンで働き、学生ながらマネジャーとして店を任されとった。今年2月、別の従業員をオーバーステイでパクった際、『ヴに雇ってもらった』と供述したため、ヴ容疑者を不法就労助長で逮捕。ヴ容疑者は『そんな人知らない』いうてトボけとった。留学生のヴ容疑者が週28時間以上働くには資格外活動許可がいるんやが、許可を取ってへんことが分かり、再逮捕した。それで口座を調べたら、日本学生支援機構から10万円の給付金が振り込まれとったんや」(前出の捜査事情通)

 ビンミンはミナミでも店を展開する人気店。店側も不正受給をしやすいよう手心を加えていた疑いがあり、府警は経営者も事件に関与していたとみて、調べを進めている。

■背後で極道がシノギ

「今後はキタとミナミに巣くう不良ベトナム人を一掃していく。仲間同士で密に連絡を取り合って情報交換し、成功例を指南しとる。特にベトナム人は、技能実習生の中でもダントツで人数が多い。それだけ増えれば、ベトナム人向けの料理店や飲み屋が増える。ベトナム人コミュニティーが生まれ、薬物や売春、賭博、高利貸など犯罪の温床になりやすい。その背後でうごめいとるんが、極道や。ヤツらはカネが動くところに群がる。ミナミは半グレが減ったもんやから、ベトナム人の後ろ盾になって上がりをかすめ取ったり、みかじめ料を巻き上げてシノギにするいうわけや」(前出の捜査事情通)

 ミナミは大阪市内で最も犯罪発生件数が多いところ。これ以上、治安が悪くならないようにしてもらいたい。

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