0001きつねうどん ★
2022/09/02(金) 17:31:23.35ID:CAP_USERゴルバチョフ元ソ連大統領(AP)
ゴルバチョフ元ソ連大統領が91歳で亡くなった一報に驚き、「昔取材したな…」と懐かしく思い、記事を探した。
2003年3月19日、ゴルバチョフさんは愛知県東郷町のパチンコ店を訪問した。国際平和推進や地球環境問題への取り組みを目的に設立された「ゴルバチョフ財団」の総裁として、同店の社会貢献を顕彰するためだった。
当時は米国の対イラク戦争直前。超大物のコメントを求めて全国からマスコミが殺到した。ゴルバチョフさんは休業日の店内でパチスロやパチンコを体験し「負けちゃいました」と笑顔だったが、当然、会見では国際情勢を巡る見解のみに注目が集まった。
とはいえイベントの趣旨から離れるため、主催者側は質問内容の制限を示唆した。これに対してゴルバチョフさんは「厳しいルールがあるの?」と司会者をやんわりいさめ、その後は自ら政治問題に切り込んだ。
まずは当時の状況を「非常に良くない」と断言。「先制攻撃をするなら国連や安保理、世論やパートナーを無視する前例を作る。危険なゲームだ」と米国を批判した。また米ソ冷戦時代を振り返り、「ソ連という外敵がいない今、どこかの国を敵にしなくてはいけない」とも分析した。
郊外パチンコ店の、のどかなイベントにもかかわらず、ゴルバチョフさんの発言はどんどんヒートアップ。「すべてのシステムが崩れ始めて『カオスの世界』になりつつある。冷戦後は対立がなくなりつつあったのに、大事なチャンスを逃した」「米国は世界全部が自分の領地になるよう願っている。それは幻覚だ」などとジェスチャーを交えて熱弁し、「われわれは平和に向け、前に進まなければならない」と力強く語っていたのが印象的だった。
ゴルバチョフさんは、今の世界情勢をどう分析していたのだろう。(長谷川有美)=写真はAP
https://www.chunichi.co.jp/article/536292