ある日、あるとき、ある場所で食べた食事が、その日の気分や体調にあまりにもぴたりとハマることが、ごくまれにある。

それは、飲み食いが好きな僕にとって大げさでなく無上の喜びだし、ベストな選択ができたことに対し、「自分って天才?」と、心密かに脳内でガッツポーズをとってしまう瞬間でもある。

そんな"ハマりメシ"を求め、今日もメシを食い、酒を飲むのです。

* * *

コンビニのローソン限定商品で、主に酒飲みを中心に熱い支持を集める冷凍食品がある。それが、ナガラ食品の「ホルモン鍋」。アルミ鍋入りで、コンロにかけるだけですぐに食べられ、ぐつぐつと煮えだすとキッチンが下町大衆酒場の香りに包まれるやばい一品。これに豆腐やねぎを追加しつつ、キッチンでギンギンの缶チューハイをやるのがたまらない。

先日、ふらりとローソンに立ち寄ったところ、そんな信頼のナガラ食品監修の、同じく冷凍食品で「ホルモン炒飯」というブツを発見。へ~、一度食べてみよ、と購入し、仕事場の冷蔵庫にほうりこんでおいた。

後日、やたらと忙しい日があって、昼、え~と、なんか食うもんなかったっけ!? なんでもいいなんでもいい! と冷蔵庫を覗いてみたところ、そのホルモン炒飯を発見。ありがたいことだと過去の自分に感謝しつつ、袋を一部カットしてレンチンするだけでも食べられるらしいけど、あいにく仕事場に電子レンジがないので、少量の油とともにフライパンで炒めて昼食とすることにした。

https://wpb.shueisha.co.jp/news/lifestyle/2022/images/e9e2adb190e8fb269570e95049fec358bef0e901.jpg
ナガラ食品「ホルモン炒飯」(税込み300円)

で、これを、そろそろあったまったかな? なんつって、フライパンからスプーンですくって味見した瞬間に衝撃が走る。ストレートに、あまりにもうますぎるのだ!

ほんのりとピリ辛ながら素直な醤油味のパラパラチャーハン。だからこそ、その米のひと粒ひと粒にいきわたった、嫌味はないけれど旨味たっぷりの牛ホルモンの味と香りがものすごく引き立っていて、僕が人生で食べてきたチャーハンのなかでも屈指と思える美味しさ。本気でびっくりしてしまった。

すると、こんなにうまいチャーハンをそのままあわててむさぼり食うのはナガラ食品に失礼だろうという気になってしまい、突発的に冷蔵庫に余っていた刻みねぎと生玉子を加える。


ねぎと玉子に裏切られたことはない

結果、こりゃあもう、酒と合わないはずがないという凶悪な見た目のチャーハンが完成してしまった。必然、もうあとのことはどうだっていいや。こいつをおともに一杯くらい飲んだって、少し休憩を挟めばまぁ仕事はできるだろうという、若干の荒くれモードになり、タカラ焼酎ハイボールを1缶開ける。

https://wpb.shueisha.co.jp/news/lifestyle/2022/images/7c9a25e099c414aa77bda3a63a08667940d18555.jpg

つづき
https://wpb.shueisha.co.jp/news/lifestyle/2022/09/09/117289/