ミサイル発射を繰り返す北朝鮮に対し、在日コリアンは複雑な思いを募らせている。

 大阪市生野区の大学非常勤講師、金光敏(キムクァンミン)さん(50)は「韓国や米国との関係は改善が見られない。北朝鮮はさらに軍事的挑発を続けていく可能性がある」と指摘。日本には「経済制裁などの圧力ではなく、援助や対話を通じて軍事的な緊張が解けるよう働きかけてほしい」と望んだ。さらに、「今は難しい状態だが、市民同士の交流を活発にして外に開かれた環境をつくることができれば、北朝鮮の行動も変わってくるのではないか。そのためにできることを考えていきたい」と話した。

 在日コリアン社会への影響を懸念する声も。在日外国人の差別撤廃に取り組むNPO法人「多民族共生人権教育センター」(生野区)の文公輝(ムンゴンフィ)事務局長(54)は「北朝鮮の軍事行動は在日コリアンの子どもへのいじめにつながるなどしてきた。紛れもない差別行為で、今回も差別が強まらなければよいが」と語った。その上で、「軍事行動と在日コリアンとは全く関わりがなく、不当な差別をしないよう国のトップや行政がメッセージを発信すべきだ」と求めた。【宮川佐知子、森口沙織】

https://mainichi.jp/articles/20221004/k00/00m/040/290000c