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「ファイヤーウォール」なる言葉で教団と関連団体の関係性について説明する、UPFの魚谷事務総長

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教団に責任が及ばないように守っていた「ファイヤーウォール」は、銃撃事件以降、完全に突破されたという

本誌9月16日発売号で報じた世界平和統一家庭連合(以下、旧統一教会)による信者向け「特別ネット会議」の内容が、教団内部で波紋を広げている。全国の現場幹部を対象に8月19日に行われた会議のなかで田中富広会長(66)は、

「我が実家は霊感商法商品だらけです」

などと発言。これまでの会見では「過去も現在も霊感商法はしていない」と断言していただけに、矛盾とも言えるこの告白に対する信者の衝撃は大きかった。

「フライデーに『ネット会議』の詳細が報じられ、教団内部には動揺が走りました。完全に内部向けの会議が流出したのは、信徒の間にそれだけ教団トップへの不信感が募っているということでしょう。会議を見ることができなかった一般信徒たちからも、『会見でも霊感商法についてきちんと説明すべきだった』という声があがっています。ちなみに、記事掲載以降の『ネット会議』はすべて中止になりました」(教団関係者)

だが、本誌が入手した「ネット会議」の音声データに残されていた「爆弾発言」はそれだけではない。

驚きだったのは、1時間20分に及ぶ会議の終盤に、天宙平和連合(UPF)の魚谷俊輔事務総長が登場したことだ。

これまで教団は、政治家による関連団体への祝電やイベント出席が取りざたされるたびに、「教団と関連団体は別組織である」という態度を一貫して取ってきた。別組織だから、教団とは一切関係がないという言い分である。

にもかかわらず、関連団体UPFの幹部である魚谷氏が教団本体の信者向け会議に出席。衝撃の発言を行っていたのである。魚谷氏は、

「これまでメディアや反対勢力からは、UPF、YSP(世界平和青年学生連合)、APTF(真の家庭運動推進協議会)などが家庭連合の隠れ蓑として用意されているフロント組織であるという批判が繰り返されています」

と前置きをした上で、図(1・2枚目画像)を示しながら、教団と関連団体の関係性についてこう説明した。

「今の状況をご説明するために、ファイヤーウォール、防火壁についてご説明したいと思います。何かトラブルがあったときにその責任が団体に及ばないようにするために壁を作っておくということで、真ん中に家庭連合、旧統一教会があって、その脇に二つの壁が作られています。左側の壁は、いわゆるトラブル、『霊感商法』『違法伝道』『高額献金』、そして一部の刑事事件などが起こったときに、その責任が宗教法人に降りかからないように作っている壁ということになります。

で、右側のファイヤーウォールが何であるかというと、UPFにしても勝共連合にしてもその他団体にしても、教会そのものではなく独立してますよ、と。そこに閣僚や議員や首長は関わったのであって、統一教会そのものとは違うので、教会が起こした問題には責任がありませんよということで、この壁で議員たちや政治家が守られるように何とか機能させていたんです」

しかしそのファイヤーウォールが、安倍晋三元首相の銃撃事件を契機に崩壊したとして、魚谷氏はこう続けた。

「火の粉がすべてに覆いかぶさるように完全突破された状況になっております。ファイヤーウォールのことを強調して、関連団体にだけ関わっていたんですよということでは言い訳ができなくて追及される状態になっております」

魚谷事務総長のこれらの発言は、「ファイヤーウォールなる壁で隔てられているだけで、教団と関連団体は一体である」と受け取れる。長年教団を追及してきたジャーナリストの鈴木エイト氏が言う。