生コンクリートの調達を巡り、工事を妨害したとして威力業務妨害などの罪に問われた全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関生支部)執行委員長の被告(49)ら6人の公判が24日、大津地裁(畑山靖裁判長)であった。弁護側が「正当な労働組合活動だった」と無罪を主張し、結審した。判決は来年3月2日に言い渡される。

 起訴状によると、2017年2月、当時副執行委員長だった執行委員長の被告は他の被告と共謀し、大津市の工事現場で住宅会社の現場責任者らに「ブルーシートがはみ出している」「ガードマンがいない。すぐに車をどけて作業を中断してください」などと言いがかりを付け、工事を中断させて業務を妨害した、などとしている。9月の論告公判で検察側は執行委員長に懲役8年、元執行委員ら5人に懲役4年6月~同1年6月を求刑した。

 弁護側は最終弁論で、事件の全体像について「建設現場で法令違反を指摘することは、生コンの品質を改善し、価格を適正化し産業全体の労働条件を向上するための重要な組合活動で、憲法や労働組合法で保障された正当な活動」と指摘。検察側の主張は証拠に基づかないと批判した上で、罪は成立しないと訴えた。執行委員長の被告は最終意見陳述で、「労働組合が自分の生活、職場、産業のことを考えて活動することはだめなのか。労働組合法の観点から判決を出してほしい」と述べた。

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