https://www.jiji.com/news2/kiji_photos/202211/20221119at26S_p.jpg
海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」(手前)=6日、神奈川県沖の相模湾上空(海自航空機より)

 防衛省は、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替となる「イージス・システム搭載艦」2隻について、当初計画より小型化する方向で調整に入った。大き過ぎて機動性に欠けるとの批判を考慮した。政府関係者が19日、明らかにした。

 新イージス艦は、全長210メートル程度、幅40メートル程度で検討されていた。海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」型に匹敵する。陸上イージスに使用予定だった米ロッキード・マーティン社製の大型レーダー「SPY7」を転用。政府が保有を検討する「反撃能力」(敵基地攻撃能力)として使用可能な長射程のミサイルも搭載する。

 大型艦としたのは、波による揺れを軽減し、ミサイル迎撃の正確性を高めるためだ。ただ、航行速度が遅くなるため、敵から狙われやすいなどの問題点も指摘されていた。自衛隊内からは「令和版戦艦大和」とやゆする声も漏れる。

 防衛省幹部は「横幅を狭めるなど小型化することで、速度が上がり機動性が高まる」と計画見直しの狙いを説明した。

 防衛省は、1隻目を2027年度末、2隻目を28年度末に、それぞれ就役させる方針。23年度予算概算要求には、金額を明示しない事項要求として、設計とエンジン取得を盛り込んだ。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2022111900357&g=pol