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3年ぶりに開かれた公開授業の様子=2022年11月19日、大阪府東大阪市、大滝哲彰撮影

 創立70周年を迎えた大阪朝鮮中高級学校(大阪府東大阪市菱江2丁目)で19日、公開授業があった。朝鮮学校を身近に感じてもらおうと毎年のように開いてきたが、コロナ禍で休止していたため3年ぶりの開催。日本語や朝鮮語で学ぶ子どもたちの姿を、約100人の参加者が見守った。

 「ソンセンニム(先生)」「イェ(はい)」――。5階建ての校舎に朝鮮語が飛び交う。生徒や教員らの写真が壁一面に飾られた教室では、生徒たちがノートを広げて学んでいた。

 日本語の授業以外は全て朝鮮語で学ぶ。高校にあたる高級部の2年2組では、「国語」の授業で朝鮮文学の代表作を精読した。3年1組の日本語の授業では、「史記」から四面楚歌(そか)の言葉の由来を学んだ。

 「自分たちは何で日本で生まれたのか。ルーツを学ぶ。そんなアイデンティティーの構築に力を入れてきた」。公開授業に続いて開かれたパネルトークでは、金采玹(キムチェヒョン)校長がそう話した。

 高級部3年の曺輝奈(チョフィナ)さんは、「同胞やいろんな方々の支えで成り立っているウリハッキョ(朝鮮学校)だからこそ、ぬくもりや愛を感じられる場所です。もらった愛を返せるような人になりたい」と語った。

 その後の文化公演では、生徒たちが朝鮮舞踊や民族楽器による合奏などを披露した。(大滝哲彰)

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