ロシアによるウクライナ侵略を受け、軍に入隊して前線で活動する女性2人が、ウクライナの首都キーウなどで読売新聞の取材に応じ、母国を守りたいという強い思いをにじませた。(キーウ 川上大介、写真も)

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マリアナ・ニッツァベチさん

 「自分たちの手でウクライナを守らなければならない」

 マリアナ・ニッツァベチさん(30)はそう力を込めた。ウクライナ軍の車両の運転や人員配置の管理などを担当する。5月には東部ハルキウ方面に派遣され、不明者や負傷者の確認作業を行った。救助に貢献したとして軍内部で評価された。

 入隊前は公務員として教育関連の仕事などをしていた。侵略開始後、負傷兵士の治療に必要な医療器具の調達に向けた寄付を募っていたが、侵略激化に「我慢できない」と入隊を決めた。

 前線で恐怖を感じるが、「だからこそ慎重になれる。冷静な判断を重ね、仲間を支えたい」と話す。

 アンナ・ボロホバさん(21)は、交際していた男性が戦地で亡くなり、遺志を継ぐ思いで7月に入隊した。「心配をかけたくない」から、親には伝えなかった。

 戦地でドローン(無人機)を使い、ロシア軍の動向を探るのが仕事だ。「実績を積み上げ、後輩たちの手本になるように頑張りたい」と意気込む。

 ウクライナの地元メディアによると、ウクライナ軍では5000人前後の女性人員が前線で活動しているという。

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